ある日、犬の散歩から帰ってきた夫が驚いた様子で「今日、馬を散歩させてる人に会ったよ」。
私たちが暮らしている沖縄市は、ものすごい田舎というわけではありません。住宅や商店が立ち並び、道路もきちんと整備されている、まずまず普通の地方の街です。
近所には馬や牛などの家畜を飼っているような場所はないはず。しかもうちの犬の散歩コースは、住宅街の中を通り抜けます。そんなところに馬がいるとは・・・ちょっと信じられません。
夫によると、交差点でふと横を向いたとき、自分が立っている道の一本となりの通りを、馬が人に引かれて歩いているのを見たんだとか。
ただ、見えたのは一瞬だけだったそうで、「まぼろしかなあ・・・こんなとこに馬なんているわけ無いよなあ」と、そのときは自信なさげでした。
ところが、それからしばらくたった別の日、今度はわたしが犬の散歩をしていると、前方50メートルほどのところを馬が歩いているではないですか!
住宅街の中にある舗装されていない駐車場の前で馬は歩みを止め、道端に生えた草を食べ始めました。
これはもう、まぼろしではありません。
馬は傍らを通り過ぎる車を気にする様子もなく、もくもくと雑草を食み、食べ終わるとそばにいた女性に引かれ、また悠然とアスファルトを歩いていきました。
思わず見入ってしまったのですが、付近のお宅は“お馬の散歩”に慣れているのでしょうか、とくに目をくれることもなく庭仕事をしたりしていました。
残念ながら、いまでもあの馬がどこで飼われているのかはわかりません。
近くにポニーを飼っている保育園があるとは聞きましたが、あれはどうみても馬だったような・・・。でも遠目でしたから、本当はポニーだったかもしれませんね。
どちらにしても、なかなか運動する場所がないから、仕方なく街中をお散歩させていたのでしょうね。
最近は姿を見ませんが、犬の散歩に出かけるたび「また会えないかなあ・・」とひそかに期待しています。
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