子供を幼稚園へ迎えに行った帰り道。
普段は自転車で行くのですが、その日はどしゃぶりの雨。駐車場が少ない幼稚園なので出来れば車では行きたくないのですが、仕方ない・・・その日は車で行きました。
駐車場は案の定、満車。あらら・・やっぱり。だから車で来るのは嫌なのよねと思いながらも順番待ちをしてどうにか駐車しました。
子供を幼稚園から連れて来て、やっとのことで出発。
出発したのも束の間、道は渋滞していました。
行きはこんなに混んでいなかったのにどうして??
でも、渋滞はずーと続いていて先がどうなっているのか見えず、どうして渋滞なのかわかりませんでした。
もう少ししたら上の子が小学校から帰ってきてしまうので、それまでにはどうにか家へ帰りたいと思っていました。
でも、もうちょっとだけ時間に余裕があったので、まぁまだ間に合うだろう・・と気楽に考えていました。
でも、渋滞は続きます。先も見えません。
だんだん上の子が帰ってくる時間が迫ってきます。
もぉーーっ!どうして進まないの?この渋滞はナニ?とちょっとイライラし始めました。
やっと先が見えてきました。
どうやら渋滞の原因は事故のようでした。
パトカーと事故車が見えてきました。車同士の衝突らしく、少しへこんで傷ついた車が二台路肩に駐車してありました。
その横で忙しそうにしているおまわりさんと、携帯でどこかへ電話している男の人。
事故車の運転手さんかしら?もう一人の運転手さんはいないのかしら・・などとイライラしながらも興味本位で見ていた私。
雨の中、携帯で電話をしている男の人は持っていないのか、傘もささずにいました。
ノロノロと横を通り過ぎる車の中からきっと大勢の人に見られているのでしょう。
こちらに背を向けて雨に濡れながら電話をしていました。
その時、私の前の車が一瞬停まりました。
助手席から若い男の人が走り出て来て、透明のビニール傘を電話をしていた男の人に「これどうぞ!」と渡してまた急いで助手席に乗り込んでいきました。
本当に一瞬の出来事で、私はハンドルを握りながらただビックリ!
傘を渡された人も突然のことにビックリしたのでしょう。すぐにはささず、傘をくれた人が乗り込んだ車をただ見ているだけのようでした。
車は動き出し、後続車の私も進まないとなりません。
その後の傘を受け取った人の行動を見守りたかったのですが、そういうわけにも行かず、でもバックミラーでチラチラと見ながら走り出しました。
もうすぐ見えなくなりそうなギリギリのところでその人が傘をさしたのが見えました。
自分はただイライラしながら、興味本位で眺めていただけなのに、あんな行動ができる人がいるんだと感心しました。
しかも若い男の人が・・・本当にビックリしました。
心温まる光景を見せてもらい、イライラしていたのも吹っ飛びました。
その後スムーズに車は流れ、無事に上の子が小学校から帰ってくるまでに家に到着することができました。
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