我が家は平屋が6件集まった集合住宅ですが、そのうちの1件で飼われているペットはなんと「陸ガメ」体長約80くらい大きなガメです。我が子(10ヶ月)なら背中に乗って散歩ができる大きさです。実際子供を乗せて歩いたこともあるとのこと。この日私は息子を乗せてみては?と勧められましたが、笑顔で断りました。その日旦那に言うと「そんな経験できるもんじゃないんだから、乗せてもらえばよかったのに」と言われてしまった。
初めて見たときはこの目を疑いました。「なんで?こんなところにカメが?しかも大きい」そのカメの名前は「ウッディ」飼い主さんはカメがととても大好きらしく他に小さいカメを4匹飼っているそうです。 何年か前のこと、このウッディが逃げ出し町中を捜し、張り紙をしてもみつからずあきらめかけていた時、「大きなカメが歩いている」と電話があり無事発見されたらしい。この事件をきっかけにウッディは町中の人気物になったそうです。
飼い主さんにいろいろ話しに聞くと、カメの世話は予想以上に大変らしい。大きいので一回の食事、キャベツ3〜4個は軽く食べるらしいし、散歩も忘れちゃいけないし、家の中で飼っていることもありカメの寝床はお風呂らしい。それを聞いた時、人間がお風呂入るときはどうしているのだろう?お父さんなど仕事で遅くなった日はお風呂に入れないのだろうか?などいらぬ心配をついしてしまうのです。なにより大変なのが、排泄物らしい。巨大ガメらしく、排泄物もかなり巨大で掃除が大変よ!と笑顔で言う飼い主さんを私はある意味尊敬のまなざしで見てしまう。我が子のおむつ変えも手の離せないときやたびたびのことで大変さを感じる私なのに、それに子供はいつか成長し自分のことは自分でするようになり、自立の道を歩んでくれるが、カメはどうだろう?今と変わらぬ世話を何十年としていかねばならない。並大抵の決意では飼い抜くことができないだろうと私は思いました。さらに驚くことに、飼い主さんいわくこの子は100歳まで生きるらしいと嬉しそうに言っていたけれど、そうなるとあきらかに飼い主より長生きをすることになる。「一体誰がその後、世話をするのだろうか?」不安な顔で思っていると、飼い主さんが「私が死んだらゆずってあげる」と言ってきたので「本当にいりません」と真顔でつい断ってしましました。後で冷静に考えると、飼い主さんの家には息子さんと娘さんがいてその子たちもカメが大好きという話を思い出し、「冗談で言われたのに、本気で断ってしまって申し訳なかったな〜」と反省しました。この子供たちもさみしいことやつらいことがあるとウッディを抱いて寝ているらしい。この家族は心からカメのことを愛しているんだなーと思います。逆にこれほどの思いがないとカメはなかなか家庭で飼う事ができないでしょう。カメに限らず他のペットもそうですが、最後まで責任を持って世話をするというのは当たり前のことです。この飼い主さんのように家族全員がペットを共通の話題にし、大切に仲良く暮らしていけたら素敵ですよね。
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