小学生2年生の娘の通う学校は、周りは大きな幹線道路で、緑と言えば街路樹ばかり。でも数年前からグラウンドの一部を芝生化し、はだしで歩いたり寝転がったりできるスペースを設けて、子どもたちに喜ばれています。
夏になると芝生の上をトンボがたくさん飛び交い、照り返しも土のグラウンドよりはきつくなく涼しくなった、土ぼこりが減って快適、と良いこと尽くめだそうです。
そのかわり植え替えや水撒きなどのメンテナンスが結構大変らしいですが・・・子どもたちが快適なら喜ばしいことですよね。
その芝生のお陰で、学校にはトンボが増え、使わなくなったプールにたくさんの卵を産み付けてくれ、ちょうど今時分はその卵からかえったトンボの幼虫、ヤゴがたくさんいるそうなのです。
先日、まもなく始まるプール開きを前に、2年生と5年生でプール掃除をするという行事が毎年あるそうで、娘も今年はその連絡を持ち帰ってきました。
弟が大の虫好きで弟の「虫友達」(いつも一緒に虫を捕って遊ぶ仲間)にも分けてあげようと、娘は大張り切りで、前日などは遠足の前の日よりも楽しみにしていたくらいです。
しかし、当日は雨。
「雨の場合は中止。予備日なし。次回は君たちが5年生になるまでお預け。」との連絡を先生から聞いて娘はものすごくがっかりして帰ってきました。
ところが、同じように落胆の激しい子どもが多かったのでしょう、先生は数日後、一匹のヤゴをケースに入れて皆に見せてくれたそうです。
その日、娘は帰ってくるなり
「ママー!ヤゴってどの位の大きさと思う?」、
私「えー?これ位?」(10センチ位)
都会育ちの私や子どもたちは、図鑑で見たことがあっても実物は見たことがなかったのです。そのエイリアンのような姿や、肉食でメダカなんかを食べるらしい、というイメージから、少し大きめに想像していました。
でも実際見せてもらったヤゴは3センチ位の、「意外と」かわいい姿だったそうです。
娘にとっては貴重な体験でした。虫好きの息子の方にも見せてやりたかったのですが・・・
更に翌日、やっぱりヤゴを捕りたかった子どもたちに突かれたのか、それとも先生達の間でどんなやり取りがあったのかは、知る由もないのですが、「ヤゴを持ち帰りたい人はなんとかできる様、考えてみる」旨の連絡を娘は先生から聞いてきました。
それを聞いてうちは家族中わくわくして待っています。
でも、それって先生達が代わりにプールからヤゴを捕まえてくるということではないのでしょうか・・・?
放課後、大人たちが腕と足を捲り上げて小さなヤゴを捕まえている・・・想像しただけでなんともほほえましいような、お気の毒なような、
思わず「お疲れ様でございます。そして、よろしくお願いします」
と小さく頭を下げてしまう母なのです。
緑豊かな地域ではこんな苦労もないでしょうが、この辺りでは本当に、ヤゴって貴重で有難いものなんです。
コラムに関するご意見・ご感想はこちらへ:info@e-koe.net |