それは去年の4月からです。
いや、もっと・・・2年位前から チョコチョコとは見かけていた姿でした。
よちよち歩きで消防暑の前に立ち、お母さんと一緒に消防自動車を見つめている姿を何度も見かけていました。
真夏でも真冬でもお母さんとその子の姿はありました。
そして去年の4月からは毎朝8時朝の点呼の時間に見かけるようになりました。
ヨチヨチ歩きだったあの子も もう幼稚園生なのね。
どうやら、その制服から察するに少し離れた幼稚園へ通っている様子。
自宅から幼稚園までの途中の道に消防暑があるのでしょう。
毎朝、点呼の時間に見かけるようになりました。
「おはようございま〜す」
幹線道路を走っていく多くの自動車の音にも負けぬほどの元気の良い挨拶。厳粛で他を寄せ付けぬ雰囲気すら感じていた点呼に その子が一緒に並ぶようになりました。
なんだか消防暑が「ぽっ」と明るくなった気がしました。
・・・・・でもきっと毎日は続くまい・・・・・・
単純に そう思っていました。
そして気が付けば黒かった制服は まぶしい位に夏の白い制服になりました。
そして夏が過ぎて また黒い制服に。
たまに見かけないことがあると なんだか心配になります。
風邪かな?幼稚園に行きたくないのかな?お友達と喧嘩したのかな?
そんな時の消防暑は嫌に静かな場所に見えます。
消防士さん達も少し寂しげというか、物足りない様子に見える気がします。
今、4・5歳の その子。
将来・・十数年後、その消防暑の門をたたく日がくるのだろうか?
もし、そうじゃなくても何か人の役に立つことを志してくれそうな気がする。
世の中狂っているようなことばかりをテレビで目にすることが多いけど、こんなホッとするような風景もあるんだよね。
きっと将来だって捨てたもんじゃないぞ。
そうに決まってる。
その子を見るたびに そう思うのでした。
コラムに関するご意見・ご感想はこちらへ:info@e-koe.net |