「妊婦が頻繁に食べるのは控えた方がいい」−−キンメダイやメカジキなどの一部の魚に水銀が含まれるとして、摂取制限を呼びかけた厚生労働省の発表が波紋を広げている。キンメダイの主要水揚げ地である静岡県の下田などでは出荷が減少、消費者の不安を解消するために独自の安全性の検査に乗り出す小売業者もでてきた。(中略)
キンメダイの水揚げ量が日本一をほこる下田港(静岡県)。年間約2千5百トン(2002年度)と全国の3割のシェアを占める同港では5日の取引開始と同時に異変が起きた。キンメダイの取引価格(通常1キロ当たり800〜1000円)が平常より2〜5割下落し、取引量(普段は一日10パーセント以上)が半分以下に減少したのだ。(中略)
中央魚類の伊藤裕康社長は「厚労省としても表現に随分気を使ったようだが、キンメダイとメカジキという名前ばかりが必要以上に強調されてしまった印象だ。(中略)同社で食の安心・安全対策を統括する伊藤毅取締役は「一口にキンメダイといっても、国内生鮮品から輸入物など様々だ。今回の調査結果がどういう検体から出たのかなど、消費者にはやや不親切では」と、不満顔だ。(中略)
厚労省は都道府県の調査による三百種類の魚と欧米の調査を基に水銀濃度の高い魚を列挙。次に国内栄養調査による約4万人のデータを基に、一日あたりの平均摂取量を算出して水銀濃度と組み合わせ、妊婦に危険性のあるマッコウクジラ、サメなど七魚種を選んだという。このうち、メカジキとキンメダイについては一回の食事量を60グラムから80グラムとした上で、週二日以下にすることが望ましいとした。(後略)
---------------------------------(ここまで日経流通新聞MJ記事)