福島県西会津町は新潟県境の山あいにある人口約九千人の過疎の町で、高齢化が進んでいる。脳卒中や生活習慣病が多く、かつては「短命の町」と呼ばれたが、平均寿命が延び、国民健康保険会計も改善。町ぐるみで取り組む保険、医療、福祉の総合プランの成果だが、中でも健康野菜作りが貢献しており、作って食べて、野菜が高齢者の元気の素(もと)になっている。町を訪ねた。
「野菜からえぐみやアクが消え甘くなった。春菊、枝豆、ホウレン草は、生で食べてもうまい」。夫婦で野菜の生産に励む清野スミさんはこう話す。野菜農家の主婦宇田川洋(よう)さんは、「味が濃く、まろやか。評判がとてもよい。」という。(中略)
できた作物はビタミンや、ミネラルが豊富で、糖度があり美味しくなった。健康野菜は、町内でファンが急速に増えて直売所を開設、学校給食などでも使いだした。(中略)
宇田川さんは、「ミネラル野菜じゃないとたべられない人たちが増えている。私自身もアレルギー体質が改善して丈夫になった」という。(中略)
町では食生活の改善事業を中心とする保健分野に加え、医療、福祉分野と三位一体で「トータルケアの町作り」を進めている。中略、こうした事業が泰功して平均寿命が延び、2000年には、男性77.6歳、女性84.1歳となり全国平均を上回った。(後略)
-------------------------------------(ここまで日経流通新聞記事)