◆私にも経験のあることですが、私の周りの主婦のかた達から、風邪をひいたあと、味がしなくて気持ち悪かった、という話を聞いたりします。「鼻が詰またせいかな…、臭いもしなかったし」、などと思っていたけれど、まさか、亜鉛不足による味覚障害とは。そこで、私はまず、だいたい亜鉛とは何ぞや? という点から調べてみました。
◆記事の中で亜鉛とは『毒物の鉛とは関係なく、身体に必要な微量元素のひとつ』と紹介されています。辞書によれば、『亜鉛:金属元素のひとつ(元素記号・Zn)青白い色で、金属元素の中ではもろい元素である。』とあります。亜鉛を使った身近な物として、トタンが挙げられようです。トタン屋根などと呼ばれ、建物の材料に使われるこの板は、鉄板に亜鉛をメッキしたものです。そんな「亜鉛」が人間の体内では、味覚をつかさどっているというのだから不思議ですね。
◆そもそも、亜鉛とは体内にどの位あるものなのでしょう。血液の成分の割合は、40%が赤血球・白血球・血小板などと呼ばれる有形成分と、血清と呼ばれる液体成分とに分けられます。その血清は90%が水分で、残りの7〜8%が血清たん白、その他0.9%となっています。亜鉛はその他の成分の中に微量に含まれていて、その量、体重のわずか0.02%、体重50kgの人でいうとわずか10gほどです。たとえこんなに微量であっても、味覚をつかさどる味細胞の新陳代謝を助けているというのだから、必要不可欠な成分なのですね。
◆そして、亜鉛の必要摂取量は、一日当たり大人で15mg。妊娠時は20mg、幼児は5mgでああります。今の日本人の平均的な食事では、1日わずか9mg、若い女性は6.5mgと非常に不足しているとのことです。
◆こうした日常的な亜鉛不足のところへ、風邪をひいて薬を飲んだために、薬の副作用等により、亜鉛の吸収が妨げられ、舌にある味細胞の働きが低下した結果、味がわからなくなってしまうということがあるようです。
◆また、味覚障害は、こうした薬の副作用の他、添加物の摂取や心因性などの原因が考えられますが、ほとんどの場合、亜鉛を摂取することで改善されるそうです。ちなみにこの記事のAさんは、亜鉛製剤を投与され、2ヶ月程で味覚が正常に戻ったと書いてありました。
◆それでは、このような亜鉛不足による味覚障害を起こさないようにするにはどうしたらよいのか。それはまず、日々の食事に気をつけ、十分亜鉛を摂取することです。
◆亜鉛を多く含む食物として、高野豆腐(凍り豆腐)や湯葉、チーズ、ホタテ、アワビ、干しシイタケ、煮干などが挙げられます。他にも肉や魚貝類など多くの食物に含まれているのですが、ダイエットなどにより、食品全体の摂取量が不足すると、亜鉛も不足することになってしまうのです。ダイエットをするなら、バランスよく食べて、せっせと運動、というのがやはり王道なのでしょう。せっかく痩せても、おいしいもの食べたとき、味がわからなくなるなんて、悲しいですものね。
◆それから、主婦の場合は、朝ご飯を適当に済ませている人、けっこう多くないですか? お弁当を作りながら、つまんでおしまい、とか。子ども送りだしてからゆっくり食べようと思って、10時ごろ食べたりして。すると、昼ごはんを食べる気がせずにだらだらしているうちに、夕方におなかが空いておやつ食べ過ぎて…今度は夕飯が入らない…など。悪循環とはわかってるんですが。やはり、こうした偏食が身体には一番よくないと思います。
◆さて、亜鉛を多く含む食物と言われる食品のひとつ、牡蠣(カキ)。これからが、おいしい季節ですよね。嫌いな人も多いけど、カキはお手軽に手に入る食材ですし、カキは100g中に40〜70mgも亜鉛が含まれているんです。カキフライやカキ鍋、カキグラタンにしてもよし。ほうれん草などと一緒にバターで炒めて、ホワイトソースをかけるだけでも美味しいんですよ。皆さんもぜひ、自分に合った美味しい食べ方を見つけて、もっともっと、食事をおいしく感じてくださいね。
〜あなたの食生活、亜鉛不足になっていませんか?
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