炭ブームが広がったのは1996〜98年ごろだが、今も人気は衰えていない。備長炭の専門店「アルフィン恵比寿」は1995年に開店。商品の種類は現在250にのぼり、5、6年前の数倍になった。炭を研磨加工したしゃれたネックレスやブレスレットなどのアクセサリーが20〜30代の女性に人気という。(中略)
東京・銀座の「掌(たなごころ)」も紀州備長炭の専門店。大きさや形が異なる備長炭の大皿がならび、客がほしい分だけ量り売りしてくれる。また、地下一階には炭を使ったヒーリングルームもあり、自由にくつろげる。(中略)
徳永製菓の「竹炭豆」は、大粒の皮付きピーナツを小麦粉、米粉、竹炭の衣で包んだ豆菓子。炭を食べる民間療法を生かしたものだという。昨年4月の発売以来、全国の百貨店やスーパーから引き合いが殺到、初年度約2億5000万円の売り上げがあった。(中略)
縫製・雑貨のツカダが開発した「炭のインテリア照明」は、木炭に穴を開け、電球を仕込んだもの。プラスチックやガラスとは違う落ち着いた雰囲気を醸し出している。(中略)
一般によく知られる炭の効果としては、消臭や湿度調節がある。炭の最大の特性は多孔構造にあるという。大きさの異なる微細なトンネルを空気や水が通過するとき、不純物やにおい、有害化学物質などの粒子を吸着する。「木炭や竹炭は自然素材という安心感があり、使い続けている人からの信頼は厚い」という指摘も。(後略)