「害虫予防の基本はエサを取り除くこと」。有害生物防除業者の団体、日本ペストコントロール協会(東京・千代田)の元木貢常任理事は語る。(中略)
対策の第一歩は、生ごみの適切な処理。キッチンの三角コーナーの生ごみはこまめに捨てる。その際ごみ袋の口はしっかりと閉じ、ごみ箱にはフタをしよう。「虫を侵入させないよう、できるだけ密閉した状態にすること」(元木氏)だ。(中略)
食べかすや油汚れの掃除にも気を配りたい。害虫防除会社、キャッツの冬木義信・環境科学研究所主任は「電子レンジ周辺やごみ箱の底面の汚れが見落とされがち」と話す。高い位置にレンジを置くと、パンのかすなどに気付かないケースがある。(中略)夏はダニの活動も活発。ダニには人の垢(あか)やフケを食べる種がいる。じゅうたんや畳の掃除もこまめにしたい。
すでに虫が発生しているなら駆除策も施す必要がある。(中略)一方、煙などで広範囲で殺虫する薬剤は強力だが、実は「ゴキブリの卵には効き目がない」(「金鳥」ブランドで知られる大日本除虫菊)。ゴキブリが卵でいるのは役1ヶ月なので、その期間をへて「二段攻撃」すれば、1回目に卵の中にいて生き延びたゴキブリも撃退できるという。
ガーデニング絡みの虫発生も悩ましい問題。(中略)庭で虫を予防・駆除するには、虫の隠れ場をこまめにチェックすることだ。草花の花の裏や植木鉢の裏は水まきのついでに虫がいないか見ておこう。(中略)どんな虫が植物に寄ってきているか確かめてから、使う薬を決めるのも手だ。
自分でいくらやっても虫が減らないときは専門家に相談した方がいい。保健所のほか、日本ペストコントロール協会(03・.5207・6321、ホームページ右欄参照)が全国に「害虫相談所」を置いている。(後略)