鹿児島県伊集院町に住む瀬戸山陽一(55)は、最近七百万円をかけ、十四畳の居間とワインセラーを増築した。(中略)
リフォームは、長男が大学に通うため東京に巣立つことなどがきっかけになった。ワインセラーは自ら収集していた妻の発案。「野菜の貯蔵室でも」と思っていた夫はいつしか、ワインの当たり年はもちろん、料理に適した銘柄をそらで言えるほどの知識を身につけた。
夫は元技師で、手作りの音響装置を駆使したホームシアターを設計。ここでの映画鑑賞はむしろ妻がはまった。今では来客も増え、一緒に暮らす長女、二男が独立してふたり暮らしになっても、会話が乏しくなることはなさそうだ。
定年や子供の独立など転機を迎える団塊世代。新しい家族のあり方に相応しいわが家を、リフォームで作り出そうという人が増えている。
ミサワホームでは、団塊世代を中心に間取りを改めるなどリフォームの引き合いが急増。(中略)住友不動産の「新築そっくりさん」でも、約半分が五十代以上の世帯。新築の約半分の工期と費用で仕上げるリフォームが売り物で、受注は前年比10%以上も伸びている。(中略)=敬省略