(前略)厚生労働省は2004年の年金改革で厚生年金の適用外になっているパート労働者を制度の対象にする考えだ。(中略) 外食、スーパー、百貨店などパート比率が高い業種はいっせいに雇用体系の見直しを急いでいる。パート自身も会社側に歩調を合わせようとしているようだ。より短く働く「プチ労働」に切り替える企業や個人が増えれば、政府の目算はまた外れる。(中略)
パート主婦や専業主婦らは負担能力がないとみなされており、保険料を払っていない。彼女達の肩代わりをして国民年金の保険料を負担しているのは、厚生年金の全加入者と事業主だ。このため、パート主婦たちが厚生年金に入れば、正社員中心の企業は相対的に負担減になる。(中略)
誰がどう分担すれば公平な仕組みにできるのか。根源的な課題に取り組まないままに、制度の外にいる人を厚生年金に引き込もうとしても、「納得ずく」でない企業や個人はもっと遠くに逃れようとする。