元々演劇やミュージカルなど、舞台を観劇するのがとても好きな私。
独身時代は、おもしろそうな芝居があると、1人ででもチケットを購入してよく観に行っていました。
最近では、なかなか自分だけの時間を作るのが難しいこともあり、観劇もできなくて淋しい日々。
本当は生で舞台を観たいのですが、夜に家を空けることがほとんどできないので、舞台中継をTVで観ることでがまんしてきました。
そんな時、TVで偶然観た歌舞伎中継。
どういう内容なのか、何と言っているのか?よくわからなかったけど、その豪華絢爛な衣装に、素敵な立ち姿、身のこなし、かっこいい立ち廻りにすっかり魅せられてしまいました。
それ以来、一度生で歌舞伎の舞台を自分の目で観てみたい!と思うようになりました。
しかし、関西では関東とは違い、なかなか歌舞伎を観る機会がありません。
その上、一言で「歌舞伎」と言っても色々と内容もあるし、歌舞伎初心者の私にとっては、話の内容はおろか、役者さんのお名前すらわからない状態で何を観たらいいのかわからない状態。
そこでふと思い出したのが、私の好きな俳優さんのお顔。
中村獅童さん、市川染五郎さん。
そうだ!このお二方は歌舞伎役者さんだった!
せっかく観るのなら、やっぱり好きな方の出演されている舞台の方がいいかも?
と思い色々調べたところ、タイミングのいいことに市川染五郎さんの出演される歌舞伎「夢の仲蔵千本桜」が上演されることを知り、「絶対これを観に行こう!」と決めたのでした。
チケットを入手する方法は、電話やWEBなどがありましたが、やはりご年配の方は電話予約でチケットを購入される方が多いようで電話がなかなか繋がらなかったので、私は発売初日にWEBで頑張って、千秋楽のチケットを購入することができました。
電話だと、お席のだいたいの希望はオペレーターの方に伝えることができるようです。
この辺りは、ミュージシャンのライブチケットを購入する時とは違うところですね。
歌舞伎へ行く時の服装。これも悩みました。
亡くなった私の祖母は歌舞伎がとても好きで、歌舞伎に行く時にはいつも綺麗に着物を着て出かけて行ってたことを思い出しました。
着物なんて持ってないし、着れないし……。
色々と考えて、私は少しかっちり目のパンツスーツで行くことにしました。
せっかく歌舞伎へ行くのだからと、当日までに私は色々な本を読んだり、パソコンで話の内容を検索したりと勉強しました。
用語など、やっぱりなかなか奥が深い世界で、付け焼刃ではなかなかすべてを知ることは難しかったです。
いよいよ歌舞伎当日、私は少し早い目に出かけました。
すると劇場の前でたくさん「幕の内弁当」の予約受付をされていました。
歌舞伎は幕間に休憩時間が1〜2回、それぞれ30分もあり、その間にゆっくりと食事をされるのだとか。
「幕の内弁当」という名前にもその由来があるみたいです。
私は幕間が長いということを事前に母に聞いて知っていて、ちゃんと用意して行ってたので、良かったです。
今回は劇場のお弁当を食べる機会がなくて残念でしたが、次回は豪華なお弁当で幕間を過ごしたいなと思いました。
私の席は1階席の少し前で、花道のそばのとても良いお席でした。
周りを見渡すと、やはり大半は年配の方で、綺麗にお着物を着られている方が目立ちました。
お着物でなくても、みなさんそれぞれにおしゃれしていらしていて、歌舞伎へ行くのなら、やっぱりあまりカジュアルすぎるのもいけないのかなと思いました。
舞台の幕が開き、目に飛び込んできたのは、今までに目にしたことがないような鮮やかな色彩の豪華な衣装。
まずこれだけで圧倒されました。
今回の「夢の仲蔵千本桜」は劇中劇に有名な「義経千本桜」も組み込まれてて、ものすごく贅沢な内容。
サスペンス仕立てになってて、歌舞伎初心者の私でもよくわかってとっても楽しめました。
台詞も「義経千本桜」の時以外は現代の言葉に近いので、何の話をしているのか、よく理解できました。
そして大仕掛けの回り舞台に、役者さんの早変わりにびっくり!
ものすごい不思議。どうなってるんだろう?
それからもっとびっくりしたのは、染五郎さんの宙乗り。
1階から3階席へふわりと上昇!これにはただただ感激。
これを観たときに、なぜ今回のチケットが3階席が2階席よりも早く売り切れてたのかがわかりました。
3階席だと、この宙乗りが目の前で見れますから。
こういうのも歌舞伎をよく観ていて、内容を理解されているからこそのチケット購入の仕方ですね。
勉強になります。
そして気になったのはお芝居の途中に絶妙のタイミングでかかる「高麗屋!」という掛け声。 |
・それを言ってる人は「大向う」というらしい。 |
・家系によって掛け声が違うらしくて、松本幸四郎さんのところは「高麗屋」 |
・中村獅童さんのところは「萬屋」、中村勘三郎さんのところは「中村屋」 |
・この舞台にご出演されていた片岡秀太郎さんには「松嶋屋」と |
・他にもいろいろあるようです。 |
そんなこんなであっという間に私の歌舞伎デビューは無事に(?)終わりました。
後で歌舞伎好きな友人に聞いて知った話なのですが、本格的な歌舞伎の場合は、売店などで「イヤホンガイド」というものをレンタルされているそうです。
お芝居の進行に合わせて、あらすじ・配役・音楽・衣裳・大道具などについて解説してくれるという優れものらしいです。
レンタルなので、使用料と保証金を初めにお支払いし、故障などがなければ返却時に保証金は返ってくるそうです。
今回の「夢の仲蔵千本桜」は比較的わかりやすい内容だったのでイヤホンガイドはなかったのですが、次回は是非、イヤホンガイドが必要なぐらい難しい内容の古典歌舞伎も観てみたいなと思いました。
歌舞伎へ行くなら…… |
・チケットはWEB予約が楽。 |
・時間に余裕を持って、いつもより少しおしゃれして出かける。 |
・イヤホンガイドを借りる。 |
・幕の内弁当を楽しむ。 |
……などなど
自分なりに色々と楽しみをこれから見つけていきたいなと思います。
【アドバイス】 |
歌舞伎なんて難しそうだしつまらない!なんて思われるかもしれませんが、自分のいる今現在から別世界へいざなってくれる、とても素敵なものです。
機会があれば一度足を運んでみませんか?
今まで体験したことのない素晴らしい世界が広がること間違いなし!です。
心から、「日本人で良かった」と思える瞬間に出会えると思います。
私もこれを機会に歌舞伎について勉強して、イヤホンガイドがなくっても楽しめるぐらいの人になりたいなと思います。 |
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