景気の回復のきざしもあり、夏のボーナスをもらってホクホク顔の人もいるでしょう。また、テレビのスイッチを入れれば「○○セレブ特集」とかやっていて、私には「ため息の対象」でしかありません。
しかし、景気回復の裏ではますます苦しい生活を強いられる人も増えて、裕福層とそうでない人たちとの二極化は大きくなるばかりです。
これでもか! というくらい梅雨の大雨が続き、外出もままならない状態が続きました。以前「陸の孤島」に住んでいたときは、食料品のストックはいまの倍ほどありました。3年半前、買物に便利なここの場所にきてからは、できるだけ食料品を溜め込まないよう努力しています。
私が小学校5年になるまで、家に冷蔵庫はありませんでした。それでも生活できていたのです。その当時食べていたものといえば、主食のお米、おかずは畑でとれたての野菜でした。いまの時期だと、たまねぎを切って炒めたり、ししとうを焼いてしょうゆをかけるだけでも「ごちそう」だったのです。
また、おやつがわりにきゅうりをもいで、塩をふりかけて食べていました。畑でとりたてですので、ゴーヤみたいに皮部分がぶつぶつになっています。それをたわしで洗うと、表面がなめらかになるので、あとは、両端を切って、塩をふると立派なおやつになりました。
子どものころは、そんな粗食ばかりでも元気で生活できていました。小学校3年のとき学校給食が始まりましたが、それがなければ、私はバターやチーズさえ知らずに大きくなっていたことでしょう。
そんなことを考えてみますと、いまの生活がいかに贅沢なものかよくわかります。そして、それが生活習慣病やアレルギーの原因にもなっているのではないかと思います。なにもなかったころに戻れば、生活費の節約にもなりますし、なによりも体が健康になるのではと思うようになりました。
そうしているうちに、冷凍保存しておいたご飯のストックがなくなってきました。また、おかずも淋しくなったので、以前から描いていた主食とおかずを兼ねる料理に今回挑戦してみました。
偶然にも、テレビの裏ワザ番組で「皮を使わない餃子のつくりかた」を披露していました。その後、別の番組で「餃子の食べ歩き特集」を見て、しそ味の餃子に興味が沸きました。今回、その2つの番組をヒントにして手持ちの食材で「オリジナル・しそご飯餃子」をつくりました。
<オリジナル・しそご飯餃子> |
(材料)分量はケース・バイ・ケース お米 しそ・梅干(いっしょの瓶に入っている) 酢 片栗粉 小麦粉 油 |
〔しそご飯のつくりかた〕 |
・お米を洗い、水に浸水させておく |
・しそと梅干を細かく刻み、お米に入れていっしょに炊く
土鍋を利用。沸騰したら、ガスを止め、バスタオルとビニールに包んで発泡スチロール箱で保管する |
・しばらく置いておくと(1時間以上)お米が水分を全部吸い取って、ご飯が炊き上がる |
・少し味見をして、必要に応じて酢を加える |
・いくらかはタッパーに入れ、普通の「しそご飯」として冷凍 |
〔しそご飯餃子のつくりかた〕 |
・残りのご飯をちいさなおにぎりにする |
・片栗粉と小麦粉、同量を器に入れ、よく混ぜる |
・そこへおにぎりを入れてまぶし、別の器に用意した水につける |
・水気を切り、再び粉にまぶす
これを2回ほど繰り返す |
・餃子の形に成形してもいいし、そのままでもいい |
・フライパンに油を引き、いったん火を止める |
・おにぎりを並べ、再び火をつけてこんがりと焼く |
・水を適量加えて、フライパンに蓋をして蒸し焼きにする |
この餃子のつくりかたの特徴は、餃子の皮を使わないということです。中身に粉をまぶして水につけるの繰り返しで、表面にうっすらと皮ができるのです。
裏ワザ番組では、ずっと以前、この方法で「薄皮まんじゅう」をつくっていました。そのとき使う粉は、たしか小麦粉だけだったように思います。それを蒸し器で何分か蒸すとプロ顔負けの薄皮まんじゅうができていたのです。
今回は、それの餃子バージョンでした。面倒くさがりの私ですが、この方法をうまく利用すると失敗なくできました。その後、別の番組でしそ味の餃子がでていたのを見て、ご飯とおかずをドッキングさせることを思いついたのです。
「揚げ餃子」や「ライスコロッケ」でもよかったのですが、ひとり暮らしで、おかずをまとめてつくる私にとっては、残った油がもったいなく感じます。その点「蒸し餃子」なら油の使用量も最低限で済みますし、ヘルシーです。
さっそく、できあがった餃子を食べてみました。表面はカリカリに仕上がりました。中身は特に味つけをしていませんので、しそと酢の味がして「しそご飯」そのものでした。でも、味が濃過ぎるよりはましです。そのときによって、いろいろな味つけを楽しむことができるのですから。
主食とおかずを兼ねた簡単でヘルシーな「しそご飯餃子」です。この方法ですると、私がよくつくり置きをする「炊きこみご飯」や「お赤飯」でも餃子ができるのではないかとひそかに思っています。みなさんも、おためしください。
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