「酷暑お見舞い申し上げます!」いまから10数年前、そういって暑中見舞を送ってくれた友人がいました。「酷暑?」ほんとうにそんなことばが存在するのでしょうか。いつもユニークな友人ですので、彼女の造語ではと、そのときは思ったものです。
ことしは、5月に雨が多く、6月になっても梅雨らしい天気にはなりませんでした。そして、ようやく梅雨入りしたかと思えば、これでもか!というくらいの長雨で7月がつぶれてしまいました。
暦の上での夏は、もう1カ月も残っていません。夏らしい天気に恵まれず損したみたいなことしの夏ですが、なんのなんの、8月に入ってからは、うって変わって連日の猛暑が続きます。
私は、冬の寒さよりは夏の暑さのほうが耐えられるのですが、それでも、常識を超えた暑さにはほとほと閉口してしまいます。
アパートには、最初から備え付けのエアコンがあります。しかし、夏も冬も一度も使ったことがないままです。
パソコンのあるリビングは西日が当たりますので、午後の暑い時間帯は使い物になりません。ノート式ですので、熱が内にこもり、限界に達するとシャーという音が出るのです。それ以上に、私の頭がオーバーヒート状態になります。
こんなときですから、食欲も当然減少してしまいます。私は、ふだんから小食ですが、こんな暑い季節は、大好物の和菓子さえも敬遠してしまいます。
そんなとき、私もやっぱり日本人でしょうか。冷凍保存しておいた小さいおにぎりを解凍して食べることが多いのです。
先日も『しそご飯餃子』という新しいメニューを開発(7月31日付・掲載)餃子感覚で食べています。もともとは「しそご飯」の味付けだけですので、解凍して食べるときに、ポン酢、わさび、しょうがを少量加えて薬味にします。すると、まるでお刺身でも食べているようなリッチな気分になれるのです。料理に入れる薬味は、脇役ですが、とても大切な存在だと改めて感じました。
そんなとき、テレビで4つの薬味について特集をしていましたので、それについてまとめてみました。
【薬味】2000年前からの漢方薬として利用 |
<長ねぎ> |
・エネルギー代謝をよくする
|
・肝臓にいい 酵素の活性化 余分な毒素を排出 |
(調理法) |
・みじん切りしてフライパンで少し色が変わるまで炒めると、辛味成分が甘くなる |
・豚肉料理に使うといい(ビタミンB1が多い) |
<葉ねぎ> |
・食欲増進対策 |
・胃腸系のガン予防(発ガン物質を抑える) |
(調理法) |
・刻む前にレンジで1分間加熱するとポリフェノールの減少が少ない |
・揚げ物の油による胸焼け防止のため、天つゆに入れる |
<しそ>
|
・赤い葉っぱのものはポリフェノールが多い |
・みどりの葉っぱは料理用として使う |
・殺菌作用 消化を助ける |
・肥満 糖尿病予防 |
(調理法) |
・切る前にごま油を塗り、みじん切りにするとビタミンB・Eが含まれていて、7倍の効果発揮 |
・そうめんに入れて、混ぜて食べるといい |
・1日3枚が目安 そうめんはエネルギー源としてもいい |
<みょうが>
|
・新陳代謝 ほてりを抑える 腎臓にいい |
(調理法) |
・繊維にそってタテにぶつ切りをする |
・ごま 塩分の多い食事といっしょに摂る |
こうしてまとめてみると、和食に合う薬味が多いことに気づきます。ここでは書きませんでしたが、「わさび」や「しょうが」も、食欲増進のため、あるいは食材の殺菌のため、日常的に料理に使われています。やはり、日本人の古来からの智恵でしょうか。
また、「パセリ」や「セロリ」も風味付けとして洋食中心によく使われています。パセリは、サンドイッチの飾りとしてお皿に添えられることが多いのですが、あれをナマで食べるのが好きという友人がいて、最初は驚いたものです。でも、カレーやシチューに入れると彩りも華やかですし、けっこうおいしいものです。にんじんの葉も同じような味がすると、私は思います。
これからの暑い季節、なんとか元気に乗り切るためにも、力の出る元気な食べ物を口にしたいですね。その橋渡しとして、身近にある薬味をうまく利用してみてはいかがでしょうか。 |