時々、いつもと全く違う調子で、
「お母さん」
と、子供が私を呼ぶことがあります。
「お腹が痛い」
「寒い」
「鼻血が出た」・・・。
うわーっと、泣き叫んで、
「痛いよお」
「あそこに挟んだ」
「血が出た」
の、場合もありますが、子供の非常事態は親の非常事態。本当に焦りますし、慌てます。
先月の月末、ちょうど1ヶ月前になりますが、あの夜もそうでした。
夏休み最後、と、いうことで、実家に1泊2日で遊びに行った時のことです。姉と姪も来ていて、夕食後も子供達のテンションは下がらずに、私も、姉と母とのお喋りで楽しく過ごしていたのです。時計の針は午後9時を過ぎ、そろそろ子供達は寝かさないと、と、いうことになり、順番にお風呂に入って、ずらずらっと布団を敷いて、
「おやすみ」
電気を消して。
「ふあ?あ」
欠伸が一つ二つ、出始めた頃でした。
「・・・お母さん。目が痒いの」
「ええ?眠いからでしょ?おやすみ、もう寝ようね」
やれやれ、今日は疲れたわ。なんて、最初は思っていたのです。
「お母さん、目が痛い」
なんかこう、胸がヒヤヒヤする感じでした。
どうも息子の声音がおかしかったのです。
「え?何?どうしたの?」
慌てて電気をつけたところ、びっくりしました。
左眼が充血、涙目、上下眼瞼の腫れ、そして何より、眼球の白目部分が腫れ出したのです。
「お、お母さ?ん。ちょっと大変!」
息子を抱っこして、私は軽くパニック。
「なに?え?あらららららら」
母もパニック。
その後、大人3人で会議。
私。「どうしよう。
病院連れていった方がいいよね?」
姉。「だよね、でも小児科?いや眼科・・・」
母。「ないわよね。あら?、困ったわねえ」
姉。「じゃ、救急車?」
母。「そうね、救急車。Akiko、電話しなさい」
私。「え?110番?」
姉。「いや、119番」
息子。「お母さん、痛いよ(涙目)」
うわ?、ちょっと待ってよ。落ち着いて、落ち着いて。落ち着いて!!自分!!
「ハイ、消防です。救急ですか?」
私、人生で初めて救急車を呼びました。
姉。「じゃ、どうする?」
母。「病院が決まったら、追いかける?
この時間だしねえ」
私。「え?何?何の話?」
姉。「救急車は連れて行くだけで、
帰りは自力なの。
それにね、そんなに慌てないの。
来るまでに、
5分?10分はかかるんだから」
母。「ほら、この人救急車経験者だから」
そう言えばそうでした。姉、体調を崩して、かつて運ばれたことがある人だったっけ。
姉。「うわっ。ご近所さんにまた私が運ばれているって思われちゃうわ?」
私。「は、はははは」
119番に電話をして聞かれること。 |
1、 |
どうしましたか? |
2、 |
いつ頃からですか? |
3、 |
患者さんの年齢は? |
4、 |
患者さんの性別は? |
5、 |
こちらの住所と電話番号。 |
救急車に乗るときの持ち物。 |
1、 |
携帯電話。 |
2、 |
健康保険証。 |
3、 |
お財布。 |
知っておきたい事。 |
1、 |
救急車は行きだけ。帰りは自力。 |
ピーポーピーポー
そうこうしている間に、救急車が到着。私は息子を抱っこして救急車に乗り込みました。息子の細い腕に血圧計が巻かれ、反対の手の指先には洗濯ばさみのような心拍計が付けられます。左眼の腫れはそのまま。息子はいつになくおとなしく抱っこされています。が、10分位でしょうか?救急車が動かない。どうやら受け入れてくれる病院がない様子です。
隊員さん「すいませんね、眼科って、ないんですよ。
隣の隣の市になりますが、今、そちらの病院に連絡を取っています。
そちらの病院でよろしいですか?」
私。「はい、お願いします」
そしてそれから20分程で病院に到着。看護婦さんとお医者さんの白衣を見て、私は救われた心地がしました。眼科の先生に診察をしてもらえる。ああ、よかった。
結局、何だったのかというと、
医師。「細菌による急性結膜炎と、結膜浮腫。
それから、結膜異物混入。
角膜には異常なし」
目にばい菌が入って、痒くなって、それを強く擦ってしまった。と。その時にゴミも入った様子で、充血、涙目、痛み、腫れ。
目に入ってしまったゴミを取り除き、あとは目薬(クラビット、フルメトロン0.1)を渡されて、診察は終わり。
医師。「白目、腫れるんだよね。でも1?2日でこの腫れは引くから。大丈夫よ、お母さん」
やれやれ、とほほ。
その後、追いかけてきてくれた母と姉と姪の乗る車に同乗して、実家へ帰宅。とにかく、こうお家へ帰れてよかったわ、と、胸をなでおろしました。
産経新聞ENAK(エナック)
http://www.sankei.co.jp/enak/2005/apr/kiji/06emergency.html
によると、平成15年度の救急車の出動回数は約483万件、だそうです。今回のようなケースの場合、自分のとった行動がベストだったのか、判断しかねますが、救急隊の方、看護婦さん、そしてお医者さん。この場を借りて、助けていただいてありがとうございました、と、お伝えしたいです。お医者さんの説明の通りに、息子の左眼は2日後にはすっかり元の通りになりました。
子供は、深夜とか年末年始とか連休中とかに高熱を出したりケガをしたりもするものです。
しかし、ある程度の症状に対しては冷静に対処できるようになりたいなと、この件にて、学びました。しかし、もう救急車は呼びたくないです。ケガも病気もせずに元気が1番です。 |