今週の月曜日から、うちの息子は幼稚園の下駄箱の所で、毎朝泣いています。
「あのね、寂しくなっちゃったのー」
私の手をぎゅっと掴んで、おいおい泣きながら、置いていかないでー、と、言うのです。お友だち達は、ニコニコ笑顔で、てきぱきと靴を脱いで上履きに履き替えて、教室へ走っていくのに、どうしてか、うちの子は「寂しくなっちゃう」様子なのです。
4月とか5月にも泣いてたけれど、あの時はだんだん泣かなくなったのよねー、今回も、だんだん泣かなくなるかしら?
担任の先生のお話によると、比較的諦めはいいようで、すぐに泣き止むらしいのですが、母としては、そう、悶々と思うのみ。できれば泣かないで、朝はニコニコで幼稚園に行ってもらいたいのです。
しかしながら、今日もまた、幼稚園に着いて門を通って、
「じゃあね、行ってらっしゃい」
と、言うと、息子の目には涙が・・・。
「じゃ、今日もお迎え1番で来るから、泣かないでニコニコで教室まで行ける?」
とか、
「ほら、小鳥さんに餌あげるんだよね?」
とか・・・。立ち去らないといつまでも泣かせてしまうと分かりつつ、どうも立ち去るタイミングが掴めなくて、私はオロオロ。
そうこうしている間に、先に到着していたお友だち達が、4人、どやどやと息子を迎えに来てくれました。どうやら、先生が子供達に声をかけてくれた様子です。
「マサヤくんを迎えに行ってあげましょう」
と。
「マサヤくん、おはよー」
「おはよう」
お友だちの顔を見て、なんだかちょっと泣き止んだ?お、いいぞ!いいぞ!今がチャンスと思い、私はサクッと立ち上がります。が、
「靴を履くまで見てて!」
まったく甘えん坊な息子です。しかしながら、もう必死に涙を堪え、頑張って上履きに足をねじ込んでいます。
「おお、マサ君がんばるねえ」
ちょっと声をかけると、笑顔も出てきました。
と、その時です。
お迎えに来てくれたお友だちの一人が、
「マサヤー。おせえんだよ、はやくしろよ」
と、言ったのです。
すると、他の子たちも、
「おせえんだよ、はやくしろよ」
「はやくしろよー」
声を聞きつけた担任の先生と、ベテランの先生がとんできて、
「どうしたのかな?」
と、声をかけると、息子を迎えに来て、そのごはやし立てた子供達はわあーっと逃げてしまいました。
「あ、マサくん、両方とも上手に履けたね、偉いね、頑張ったね」
と、ベテランの先生は息子の目を見て、微笑んでくれました。
「あ、本当だ。上手に自分で出来たね。じゃ、先生と一緒に教室へ行こうか」
担任の先生も、息子の手を取って、にっこり。
「どうもすみません」と、先生。
「いえいえ、平気です」と、私。
「じゃ、お願いします!」
「ハイ、預かります!」
ここは、先生とアイ・コンタクト、目で会話をします。そして、さささっと、私は逃げ帰るのです。
逃げ帰りながら、さすがに私も、
「まさか、いじめられてるのかしら?」
と、少し思いました。そりゃ、心配しますよ。え?何だったのかしら?あれは?
「ねえねえ、マサくんママ」
自転車にまたがったところで、同じクラスのお友だちのママが声をかけてきました。
「さっきのあれって、何?」
「すごかったよね、私も動揺してるのよ!」
「最近、子供達の言葉遣い、ひどいからねー。でも、それにしたって、さっきのはちょっとねえ。マサくんかわいそうだったよね」
「あ、あれよ。うちの子は、私と離れるのが寂しくて泣いていたんだよ。と、言うか。先生二人に優しくされて、こっそり嬉しそうだったから、大丈夫」
「うん、確かに、嬉しそうだった」
「じゃ、お迎えの時間にね、またね」
「じゃあね」
気心の知れたママなので、
「マサくんなら大丈夫」
の気持ちがひしひしと伝わってきます。なんだかとてもありがたい。
うーん、しかしながら。どうなのでしょうか?おそらく「いじめられている」と、言うのではないと、やはりすぐに思い直しましたが、気を付けないと、子供達の言動はエスカレートしていくのではないか、怖いなあ、と、思うのです。そしてすでに、子供達の言葉使いは、今、とてもひどいのです。
「バーカ」
と、言ってみたり、
「クソババア」
と、言ってみたり。
「ぺっ」
と、唾を吐く子供もいます。
どの子も、皆、少しずつ頑張っているんだと思うのです。朝の様子に関しては、グズグズしていた息子を見て、悪意はなくて、なんとなくあのような言葉が出てしまったのだと、思いたい。思いたいよなーと、苦笑いです。 |