このところ、子供が「バカ」だの「ヤダ」だの、「あっちへいけ」だの、言うようになりまして、困っています。困りながらも、そういう時期なのかな?と、客観的に見ていたりもしています。
子供は、みんなと一緒、が好きですよね?「○○ちゃんと同じ、ムシキングのポケットテイッシュがいい」とか、
「○○君とスプーンが同じだったよ」とか。
きっと言葉使いもその延長にあって、なんとなく、子供同士で、
「バカ」
「あ、バカって言ったらいけないんだー」
「うるさいなー。あっちへいけ!」
なんて、幼稚園でやっているんだと想像します。そして、やはりなんとなく、新しい言葉が耳に残っていて、言ったら怒られる、と、分かっていながらも、つい、口から出てしまう。今はまさにその過程だと、思っています。
度が過ぎたら怒りますが、私は大概、聞き流すようにしています。息子は3才。親が日常にきちんと会話をしていれば、そのうちにきちんとしてくれるのではないか?と、期待しているからです。
「絶対にバカって言わないで!言ったら叩くよ!」
もし、こう言ったら、今度は子供がお友だちにこう言うでしょう。
「言わないでね?」
よりも、
「叩くよ!」
が、イメージに残ってしまうと思うのです。
さて。
運動会が終わってから、2週間位、うちの息子は幼稚園に着くと、
「寂しくなっちゃった」
と言って、わんわん泣いていました。4月の入園直後も朝は泣く子だったのですが、
「え?なに?どうしたの?」
私はちょっと戸惑いました。深い理由なんてないようで、
「教室へ行って、しばらくすると直ぐに泣き止んでいますよ」
と、担任の先生にも言われました。しかし、朝の別れ際には必ず泣くのです。
泣くのは悪いことではないし、実際、彼は寂しくなるんだと思うし。だからといって、放っておくのも、ちょっと可哀想な気持ちもして。
色々考えて、1つ、良い方法を思いつきました。1枚のメモ用紙に、
「なきませんように。にこにこ!」
と、マジックで書いて、息子のポケットに入れてあげたのです。
「あのね、マサ君。これ、お守りだから。今日からこれを入れてあげるから、マサ君はもう寂しくならないと思うよ」
「え?本当に?」
「うん。絶対に」
不思議な物で、お守り(1枚の紙ですが)を持たせるようにしたら、ぴたっと泣かなくなりました。
「すごい、すごい。今日は泣かないで行けたね?お守りのパワーだね」
「ね!」
私もニコニコ、子供もニコニコ笑顔です。
片付けをしない時
「ええ?お母さんがこれを全部しまうの?大変だなー。マサ君手伝ってくれる?」
夕飯の時の好き嫌い
「あ、ニンジンさんが(マサ君、食べてちょうだい)って言っているよ」
転んで泣いたとき
「痛いの痛いの飛んでいけ」
夜、なかなか寝ないとき
「羊さんを10匹まで数えてみよう」
怒って怒って怒るより、ちょっとの一言、魔法の言葉が、すごく効いたりするんです。ポイントは「飴と鞭(アメとムチ)」じゃ、ないところ。それでは芸がないのです!
「○○できたら、☆☆をあげる」
では、つまらないじゃないですか?もっと子供と会話をして楽しまないといけません。
それに、色々、魔法の言葉を使っていると、逆に子供がその言葉を使ったりすることもあります。
「お母さん、頭をぶつけちゃった」
と言えば、
「え?どこ?痛いの痛いのとんでけー。
・・・、治った?」
と、言ってみたり。その表情とか仕草がとても可愛いですよ。
考えてみれば、先に書いた悪い言葉も、ある意味、魔法の言葉、ですよね。それ言うと、相手を嫌な気分にさせてしまうの言葉。子供の側からすると、使うと先生に怒られる言葉。今度、息子がその言葉を使ったら、「怖いお母さん」に変身してみようかと思います。
「あ!マサ君が(あっちへいけ!)って言ったから、お母さん、怖いお母さんになっちゃう。どうしよう?マサ君、助けてー!!」
って。
子供達は、育っていく過程で、もっともっと沢山の言葉に出会っていくんだと思います。そして、学んでいくのだと思います。私としては、子供と一緒に、言葉をもう一度、一つ一つ学んでいる気分です。
今日はどんな言葉を覚えて帰ってくるのやら。嬉しいような、哀しいような、楽しみなような、怖いような。複雑な気分です。しかし、そんな気分を吹き飛ばしてくれるのは、息子の、
「おかあさん」
の一声。こう、呼ばれると、なんでも頑張れるから不思議です。なんだかんだ言っても、やっぱり子供のパワーにはかなわない。子供って、可愛いですね。 |