14年前、ひとり暮らしのスタートに用意したものは、1ドアタイプの冷蔵庫でした。冷蔵室の上に、ちょこっと氷やアイスクリームを入れるスペースがあるタイプといえば、ある程度の年代の人はわかっていただけると思います。つまり、冷蔵庫が一般家庭に普及し始めたころのものです。
定時で帰れる場合はともかく、予定外の残業があって夕食を職場で済ます場合、家の冷蔵庫に入れておいた食材の消費期限が心配になりました。また、これはどうでもいいことなのかもしれませんが、最上部に入れておいたアイスクリームがすぐ溶けてしまうのです。そんな状態ですので、余った食材を冷凍保存することもできず、3カ月ほどで2ドアタイプのものを購入しました。そして、短いつきあいだった1ドアの冷蔵庫は、実家でお茶の冷蔵専門係として活躍しました。
さて、当時の私は冷凍食品の有効利用法を知りませんでした。ですから、冷凍はしたものの、はたして食べてだいじょうぶなものか、真剣に悩んだ末、結局は捨ててしまうということを何度も繰り返しました。もちろん、冷凍保存などせずに、つくりたてを食べるのがいちばんおいしく、体のためにもいいに決まっています。しかし、いつもそういうわけにはいきません。
私は、和菓子が大好きですが、小さいものでもたいてい4個パックになっています。食が細い私は、一度に完食できず冷蔵室へ入れるのですが、仕事の関係でスケジュール通りに食べることができず、応急手当として冷凍室へ放りこむのです。解凍はいつも電子レンジでしていましたが、「レンジキー」を使うと、解凍してしばらくすると、和菓子の皮部分がばしばしに固くなってしまうのです。そうなると、もう中身のあんこだけしか食べられません。思考錯誤の末、「温めキー」を使用、それも完全に溶ける前にレンジから出す方法を思いつくまで、かなりの時間が必要でした。
さて、おかずやご飯ですが、いまでは土鍋でまとめて炊いて、小さいタッパーに小分けして冷凍する方法が定着しましたが、最初はすごく不安でした。まだ、インターネットが普及する前の時代でしたので、いろいろな情報を入手することも叶いません。手元にあった何年か前の料理本によると、一度解凍したものは、再冷凍すると味が落ちるのでお勧めできない旨のことが書いてあったような記憶があります。もちろん、切った食材(調理前)を冷凍して保存、調理後に再冷凍は可能だと……。
ねぎをみじん切りにして保存すれば重宝しますね。それから、三つ葉は、買ってきたままの状態で冷凍保存するのです。がちがちに凍ると枝が自然に離れ、ビニール袋の上から手でもむだけで葉が細かくなりますので、包丁が要りません。一度冷凍したものをカレーなどをつくるときに取り出して使うのです。
私は基本的に料理に使う食材にこだわりません。スーパーの値引き商品や冷凍室に眠っているカット済みの野菜、しいたけ、わかめなどの乾物を集めると結構な量になります。
また、同じ食材から複数のメニューを同時進行でつくるのです。世帯向きのアパートに移り、2口コンロが置けるようになってから、作業がより効率的になりました。1つの鍋には、カレー味、もう1つの鍋の食材は味付けをしないで、食べるときにポン酢などを掛けるようにします。ご飯の在庫が少ないときは、1つの鍋で炊きこみご飯をつくります。そのときは、梅干を入れると適当な酸味も利いておいしいです。
ちなみに私の冷蔵庫の日常的な中身を公開します。
<冷凍室> |
上段:アイスクリーム、おはぎ、食パン(マーガリンを塗って2つ折りして)
下段:小さいタッパー入りのご飯、カレー、煮物、
コロッケ(激安店で買って揚げてから、1個を半分に割ったもの)
ドアポケット:5年前に買い替えたため、いまの機種にはついていない |
<冷蔵室> |
・チルドコーナー:チョコレート、カレールウ
上段:マーガリン、卵豆腐(てづくり)
中段:ヨーグルト、もどした麺類
下段:未開封の牛乳、梅干、解凍したおかず(タッパーのまま)
野菜室:日持ちのするゼリー、予備のあんこ |
・ドアポケット
上段:卵、開封した ねりわさび、ねりしょうが
中段:牛乳、水だししたレギュラーコーヒー、レモン汁、はちみつ
下段:水だしした お茶(1リットル×2本)アルカリイオン水1本 |
ちなみに、野菜は調理する時期に合わせて購入します。小さい冷蔵庫ですので、野菜室はキャベツ1個を入れたら満杯になるのです。床下収納に入れても、すぐに鮮度が落ちますので、せっかく安く購入しても無駄になるのです。
私の冷蔵庫の中身は、極端な場合、冷蔵室ががらがらで、冷凍室が満杯になり、いまにも逆立ちしそうになることもあります。しかし、缶ビールやペットボトルのジュースしか入っていない平均的なひとり暮らしの人の冷蔵庫とは、少し違います。冷蔵庫、特に冷凍室をフル活用することが、超・節約生活を楽しむことにもつながるのです。 |