ことしも市役所から「国民健康保険税通知書(口座振替)」の書類が届きました。サラリーマン以外の人は、この保険に加入しなければなりません。
退職した人は、再就職までの期間に対して、以下の手続きのうちどちらかが必要です。
- 国民健康保険加入
- 任意継続被保険者資格取得の手続きをして、「任意継続被保険者」として退職前と同じ健康保険に加入
毎年、その年の保険料が確定するのは、確定申告が済み住民税が確定した後の時期、つまり7月になります。保険料の支払いは、7月末、9月末、11月末、翌年1月末の年4回です。他の税金の支払いとの関係もあり、微妙に時期を調整されています。しかし、毎月なんらかの税金を払わなければならないということになります。以前は、最初に前納するといくらか安くなるシステムがありましたが、現在は保険税ばかりではなく、すべての税金に適用されていません。そのため、私は前納から4回払い(口座振替)に変更しました。
この健康保険税には、介護保険料が上乗せさせられていることは、みなさまご存知ですね。40歳から65歳未満の人が対象になります。もちろん、65歳になった後も介護保険の支払いは続くのですが、今回は割愛させていただきます。
パンフレットには、保険料の計算方法や軽減措置(保険料が7割、5割、2割になる)の特典など書かれていますが、これもややこしいのでカットします。
さて、健康保険に加入している以上、給付つまり保険の適用を受けるほうをしっかり頭に入れておかないと、知らなかったでは済まされないこともあります。そこで、国保の給付について簡単にまとめてみました。
<国保の給付> |
(入院したときの食事代) |
診療費とは別に、1食あたりの標準負担額を自己負担
残りは国保から負担 |
非課税世帯は「標準負担減額認定証」が必要 |
高額療養費の支給対象にはならない |
(療養費の支給) |
医療費を全額自己負担したとき
保険証を持たずに治療を受けたり、国保扱いでない病院の場合
コルセットなど補装具が必要と認められた場合
海外渡航中の治療費 |
(高額療養費の支給) |
1カ月の医療費の自己負担額が一定の限度額を超えたときは申請すると超えた分を支給される
月初めから月末までの暦月ごとの受診
病院ごとに計算
同じ病院でも診療科ごと、入院・外来ごと
保険適用診療分のみで計算 |
(その他の支給) |
出産育児一時金 300,000円
妊娠85日以上の流産、死産にも適用
葬祭費 50,000円 |
(交通事故) |
国保が費用を立て替え、後で国保から加害者に請求 |
私は、4年前に入院して国保の支給を受けましたが、そのときから比べても仕組みが変わっていることに気づきました。
まず、入院したときの食事代ですが、現在は1食ごとに計算されていますが、以前は1日ごとでした。手術日当日など、3食とも食事なしの場合はカウントされませんが、たとえ1食でも食事をもらったときは費用を支払わなければなりませんでした。
その負担金額は所得に応じて変わってきますが、食事内容によっては関係ありませんので、極端な話ですが豪華な食事の人もプリン1個だけの人も費用は同じなのです。
案外知られていないのが「出産一時金」です。めでたく臨月を迎えられることがいちばんですが、不幸にして流産や死産をした場合も85日以上の場合だと支給されることになっています。
また、「葬祭費」の支給もあります。数年前まではたしか30,000円でしたが現在は50,000円にアップされています。これは、被保険者が亡くなられて葬儀を行われた後の諸々の手続きといっしょに申請できます。
さて、問題は「高額療養費の支給」です。たとえば、治療費が100万円掛かったとします。単純計算すると自己負担金は30万円掛かります。残りの70万円は国保から支給されるからです。そして、その自己負担金30万円のうち、申請すれば戻ってくるのが「高額療養費」です。
30万円からいくら差し引かれるかは所得によって違ってきます。住民税非課税世帯の場合は、最終的な自己負担金は35,400円になりますので、その差額(300,000 円 − 35,400円 )264,600円が、約3カ月後に支給、つまり返還されるというものです。
これは、あくまでも自己申請です。行政によっては親切に教えてくれるところもありますが、あまり期待はできません。自分の知識として知っておくことが必要です。
さらに、「高額療養費」として返還される分を貸してくれる制度があるのです。それの適用を受ければ、自己負担金は最小限で済みます。その条件は、支払いが困難な人など、いろいろありますので、詳しくは管轄の役所にお問い合わせください。私は4年前、その制度を利用でき、入院のために準備する費用も最小限、つまり最終的な自己負担分と食事代で済み、ほんとうに助かりました。
健康保険の適用を受けることがないに越したことはありません。私も、ほんとうは大の病院嫌いです。しかし、いつどこで、どんな目に遭うかわかりません。そんなときのために、せめて「高額療養費」の知識を持っていたほうがいいと思い、書かせていただきました。
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