若い女性作家の作品に『蹴りたい○○』という勇ましいタイトルの本がありますね。私は、その作品を読んだことがありませんので、内容については書けませんが、たしかにインパクトがあるタイトルです。自分が嫌な相手の背後から思いっきり「ライダーキック」をしてやりたい。そんな潜在的な願望は誰も持っていることでしょう。
日常生活のなかで感じるストレスの行き場をどうするか、とても大切なことです。がまんにがまんを重ねると、いつかきっと大爆発を起こし、取り返しがつかない事態に陥るのです。
テレビで、ある若いタレントが、お皿を割ることでストレスを解消していると言っていました。その人のお母さんも同じ方法でストレス解消しているからです。
たしかにお皿を割ると爽快な気分になります。でも、その後、自分でかたづけなければならないことを考えると、あまり賢明な方法とはいえません。
また、お皿の割れる音で近所からクレームがくるかもしれませんし、新しいお皿を買うために余分なお金がかかります。そのため、新たなストレスになる可能性もあります。
私は、あるセミナーで「新聞紙破り」を経験しました。新聞紙を音楽に合わせてびりびりに破り、最後は床にばらまくという方法で、ストレスを解消するのです。
しかし、私は床にばらまくことができず、破れた新聞紙を手に持ったままでした。自分の不始末は自分でかたづけるしかないことが日常的にわかっていますので、無駄なことはしたくなかったのです。というよりも、手がかかるとわかっていることを実行に移せなかったのです。
先日、知人から1枚の絵葉書が届きました。1匹の子ネコが写っている白黒写真ですが、その姿がなんともいえずかわいいので、おもわず微笑んでしまいました。その子ネコはお日様の光を浴びて、台によりかかって眠っているのです。頭と上半身?だけを台に乗せ、後ろ足は床につけた中途半端な格好のままでした。なんか夏バテをしてぐったりとしているようにも見えました。
「♪〜ネコはこたつで丸くなる〜」と、有名な童謡の歌詞にありますが、ネコは案外と暑がりなのです。私が実家で飼っていたネコも、ホームコタツからぐったりとして出てきて、壁のところでぺしゃんこになっていたのを思い出します。
私の実家は、19歳のとき祖母が亡くなってから、両親と子ども2人だけという生活が8年ほど続きました。子どもといっても私も弟も成人し、大人ばかりの家庭です。それぞれの生活があり、共通の話題もありません。
そんなとき、1匹の子ネコを知り合いからもらってきました。たしか、私が24歳のときでした。家にきたとき、まだ500グラムにもならない小さい命は、ぎずぎずした家庭の雰囲気をなごませてくれました。右耳の付け根とシッポの半分だけが黒く、あとは真っ白というオスネコでしたが、約10年間、大切な家族の一員として貢献してくれました。
その当時、柴犬に似た雑種のオスと、真っ白なノライヌのメスも家にいたのですが、怖いもの知らずの勇ましい子ネコは、自分から先輩のイヌたちにも近寄っていき、仲良しになってしまいました。そのようすが、また心なごませてくれたのです。
よくテレビCMでも、イヌやネコが登場しています。ある種類のイヌに人気殺到して、それがペットブームに火をつけたこともあります。
私は、どちらかというと「ネコ派」です。「○○整形外科」に出てくる三毛猫や、パソコンをクリックしている茶色と白のトラネコなど、どこにでもいる雑種が好きです。かわいいネコの姿を見ていると、ほんとうに心癒されます。
近頃では、ペットの癒し効果を利用して、高齢者介護施設にペットをレンタルしたり、ボランティアでペットを連れて訪問する人も増えています。それにより、無表情だった施設利用者の心身に変化が現れたりするケースもあります。
よくリハビリ科が併設されている病院では「理学療法」「作業療法」「言語療法」という専門スタッフがいます。最近では「音楽療法」も注目されてきました。しかし、「○○療法」と日本語でいえば、固苦しいイメージが先行し、治療を受けているという感じがします。
最近では、「○○セラピー」という横文字が増え、病気治療のためだけではなく、日常生活のなかになにげなく取り入れられるようになりました。今回、書かせていただいたイヌやネコとの触れ合いも「アニマルセラピー」に属するのです。
そのほかにもどのようなセラピーがあるのか、まとめてみました。
【セラピーの種類】 |
<カラーセラピー> |
・機能心理学ともいわれる |
・色のエネルギー・効果を積極的に利用して心身の健康に役立てる |
・選んだ色で、その人の内面の声を読み取り外側からの色のエネルギーでストレス解消をはかる |
<アロマセラピー> |
・植物の芳香成分を利用した自然治療 |
・心身をリフレッシュさせる |
・美容や家事にも取り入れる ペットの癒し効果も |
・体に悪影響を及ぼすこともあるので、利用は慎重に
きらいな「匂い」は、「臭い」になる |
<ストーンセラピー> |
・オイルトリートメントの一種 |
・全身のツボに石を置き、アロマオイルなどでトリートメントして筋肉の緊張をほぐし、身体内面から癒す |
<その他のセラピー> |
バッチフラワーレメディ(セラピー) 睡眠セラピー 植物セラピー アートセラピーなど |
こうしてまとめてみますと、初めて聞く名前もありますが、セラピーといっても、なにか特別難しいものではありません。
殺風景な空間に、季節の花(100円ショップで買った造花でもいい)を自分でアレンジして飾るだけでも、気分は違ってきます。
この暑い季節、縁側に吊るした風鈴の音を聞くだけで涼しさを感じることもあります。それも、昔からの生活の智恵、暑さを乗り切るためのセラピーの一種だと思います。
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