結婚を機に家庭に入り、家事に育児に大忙しの毎日。子供とのふれあいの時間も大切なんだけど少し子育てが楽になり、ふとした時に「また働きたい」「社会とのつながりを持ちたい」「自分のためだけに使えるおこづかいが欲しい」などという気持ちがムクムクッ!と芽生えてくることがありませんか?でも子供が小さくて、外に働きには出られない。子供を預かってくれる人もいない。そんな時に一番初めに思いつくのが在宅ワークかもしれません。
どうやって始めればいいのかわからないので、まず目につくのが通信講座の案内。雑誌や新聞の広告記事には、すごくたくさんの種類の在宅ワークの通信講座案内が載っています。それらのだいたいのうたい文句としては
1、空いた時間で、誰でもできる
2、小さい子供さんのいる方でも手軽にできる
3、家にいながらおこづかいを稼げる
というふうなことが書いてあることが多いです。
半信半疑ながらも、どんな講座があるのかなと調べてみた結果、私が選んだのはテープ起こしの講座でした。数ある講座の中から、なぜテープ起こしを選んだのかというと、元々、文章を書くのが好きだったこと。人の話を聞くのが好きなこと。特に道具もいらなさそう。そして漠然と、なんだか楽しそう!と思ったこと。この4点です。
まず資料を請求してみて、納得したので早速申し込むと、テキストやカセットテープなどがどっさりと送られてきました。私は日中は仕事をしていて時間がないので、夜、家族が寝てから自分の時間を作って、毎日勉強し続けました。想像していた通り、テープを聴きながら、それを文章にしていくということは、とても楽しくてたまらなかったので、勉強もどんどんはかどり、約3ヶ月でその講座を終了しました。そして講座終了後に、受験は自由だったのですが、テープ起こしの試験を受けられるということだったので、仕事を早くしたいし、ある程度自信もあったので、思いきって受験することにしました。
しかし、その自信は打ち砕かれることになってしまいます。 |
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テスト用に送られてきたテープと、講座で使用していたテープは全くレベルが違うのです。 |
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講座でのテープは雑音もなく、声もはっきりと聞こえ、座談会形式のものも、みんな順番に話すので聞き分けも可能でした。しかし、テスト用のものは、ものすごい雑音だったり、声も小さくて聞こえにくかったり、早口だったり、座談会形式においては大勢が口々にしゃべりだし、誰が誰だかわからない。 |
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それでも頑張って仕上げましたが、合格点には5点足りず不合格。現実の壁に思いきりぶち当たり、がく然とし、ショックを受けました。
でもこれだけ一生懸命に勉強してきたのだし、この仕事がおもしろくて、あきらめられなかった私は、独学しながらインターネットや本などで色々と探し、あるテープ起こしの会社を見つけ、そこの試験を受けさせていただくことになりました。
この試験は、実際にお仕事をするのとおなじ形式のものだとのこと。そこでまた驚くべきことにぶち当たります。
それまで私は、原稿は手書きで、テープを普通のテープレコーダーでガチャガチャしながら文章にしていました。そういうやり方での仕事というのは、もう今はほとんどないということを、この時初めて知るのです。
通信講座の写真は、最近でこそパソコンを前に……というふうになってきているものもありますが、それまでは、ラジカセに原稿用紙、そして鉛筆を持って微笑んでるものが多く、私も実際にそれで勉強していましたし、そういうものだと思っていました。
実際に仕事をするにはパソコンの知識も必要で、テキスト形式でメールにファイルを添付など、今までの講座では習ったことのないようなことがいっぱいで、テストを受けさせていただく前に、パニックになってしまい、一気に自信を喪失しました。
このままテストを受けても良い結果なんて出るはずがない!そこで私は、テストを受ける前に、パソコンのWEB上での講座を受講し、学ぶことになりました。ここで習ったことは、通信講座ではほとんど勉強していなかったことばかり。通信講座で習ったことはすべて無駄というわけではありませんでしたが、もう1度初めからやり直しでした。
講座で初めて習ったことは、近年「テープ起こし」は |
1、 |
テープからだけではなく、MDやビデオなど、色々なものからの音声を文章にしないといけないということ。 |
2、 |
その中でも最近特に多いのは、WEB上から音声ファイルをDLして、パソコンで音を再生し、文章にするというもの。 |
3、 |
私は音声ファイルのDLの仕方を勉強し、そしてその音声を再生できるフリーソフトがあるということも教えていただき、それを活用して勉強しました。 |
4、 |
音声も、通信講座の時のようなきれいなものはほとんどないということも理解しました。 |
納期ものんびりできるものは少なく、短期間で、しっかりと検索をして正確に仕上げなければいけません。私のように、他に仕事を持っている者は時間の確保がまず大変で、寝不足になってしんどいなと思ったこともあります。でも出来上がって納品した後の開放感はすがすがしいものです。そして、自分がかかわったものが活字になったものを目にした時の嬉しさといったら、言葉にできないくらいです。
在宅ワーク(テープ起こし)の良いところは |
1、 |
家でできるので、子供を預けたりしなくても良い。 |
2、 |
家にいながら、自分の得意な分野だけでなくて、いろいろな分野の話をいっぱい聞くことができ、自分の視野も知識も広がるということ。 |
3、 |
自分で時間を作って、自分のペースでできる。 |
反対に悪い点は |
1、 |
家でできる分、時間のめりはりをつけにくい。
仕事と家事、育児など時間のケジメを自分自身できちんとつけないといけない。 |
2、 |
守秘義務が大切な仕事なので、家族に対してもそのようにしないといけない。 |
こうやって書いてみると、良い点と悪い点は背中合わせという感じです。
はっきり言って、テープ起こしは大変根気のいるお仕事です。 |
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「おこづかい」が欲しいと思うなら、外へパートに出た方がいいかもしれません。 |
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でもテープ起こしには、例え寝不足になって疲れることがあっても、家にいながら自分の知らない世界へ連れていってくれる、という楽しみがあります。 |
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私にはまだ自分で屋号を持ってというのは自信がないし、十分な時間も今はないので、現在は講座でお世話になった先生や仲間のお手伝いをさせていただくことが多いです。でも、今のうちにしっかりと下積みをして、いつかは自信を持って自分で独り立ちできるようになりたいなと思っています。
まだまだ勉強の日々は続きそうです。 |