先日、とうとう「ヤツ」がお越しになりました。
それは・・・カブトムシのさなぎです。もう随分前から我が家に里子に来るという話は持ち上がっていましたが、「成虫になる前にお亡くなりになっては大変だから。」と、先方のカブトムシブリーダーには待ってもらっていました。やっとさなぎになったところで我が家に迎え入れたのです。ブリーダーといっても、ただ息子の虫友達(幼稚園の虫好き仲間)のお宅のことで、去年飼っていたカブトムシの卵から孵った幼虫のことなんですが・・・。
私にとっては虫の卵を孵すなんて、とても出来ないことなので敬意をこめてそう呼ばせていただきました。
5歳の息子は大の虫好き。幼稚園では「虫博士」の異名をとり、毎日園庭の芝生をめくってはだんご虫やアリなんかを捕まえ、また戻すという遊びを繰り返しているらしく、虫たちにとっては受難の季節が始まっているのです。
虫だけではなく爬虫類(両生類)も大好きで、トカゲやイモリ、カエルにも異常なほどの執着を見せています。幼稚園の誕生会では将来の夢をみんなの前で発表するのですが、彼は「トカゲを飼うこと」と公言してはばからず、周囲から「やっぱりね・・・」という声が上がっていました。
先日も山の中にある公園でトカゲを見つけ、うちの家族が誰一人触れないにもかかわらず、一人トカゲを手に乗せたり顔に乗せたり、手乗りトカゲ状態で大満足しておりました。
周囲に大きな山や田んぼのない街生まれの息子には、人間以外の生き物がことの他ロマンに満ちて見えるのでしょうか。ある種「あこがれ」に近いものを持っているようです。そればかりでなく、この小さな生き物達の中に不思議な力が隠されている、といわんばかりに眺め、話しかけたり(大丈夫か、息子?)する姿も時々見られます。
そういえば日本人は古来、醜いもの、小さなもの、取るに足らないもの等を「神」として崇めてきました。便所の神、鏡の神、蛙の神、蛇の神・・・八百万の神の国、日本人の感性や美徳を息子のお陰?で再認識するこのごろです。
近い将来我が家が爬虫類や昆虫の楽園になりはしまいかという不安はありますが、それよりも今は彼の興味の赴くままに、どんどん走ってくれたらいいか・・・と考えるようになりました。
あと親として出来ることといえば、虫だけじゃなく、知力・体力ともにバランスの取れた人になってくれるような教育方針を考えることくらいでしょうか・・・。心配はつきませんが、今日も息子は張り切って虫たちとの遭遇を楽しんでいます。
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