東京三鷹はJR中央線で新宿から20分。マンションや新築住宅が目立ちますが、市の南側はまだまだ畑の広がる農業の盛んな所です。
そんな中でぶどう棚のようなものがあちらこちらに目につき、棚の下にはにわとりが放し飼いにされています。これが三鷹のキィウイ畑です。
三鷹でキィウイが作られるようになったのは、昭和53年から。ここ三鷹の土がこのキィウイと相性が良いそうで、盛んに作られるようになったのだそうです。そしてキィウイ畑に必ず見かけるにわとりは、鶏糞を肥料にすることともう一つ、除草剤を撒かないように畑の草取りのために畑に放し飼いにされています。
手塩にかけて育てられたキィウイは、秋になるとおいしく実ります。このうちお店に売れないような小粒のものが、長野県安曇野に運ばれて一冬かけてキィウイワインとなって三鷹に戻ってきます。その数毎年1万本前後。前年の収穫量によって発売される本数は違ってきます。味は辛口の白と甘口のロゼの2種類のみ。値段は1,200円と手頃なところもうれしいですね。ゴールデンウィークあけごろから、三鷹市内のお酒屋さんや三鷹JA東京むさしの農業祭などで売られています。
このキィウイワイン、ブドウ酒と違ってタンニンが含まれていないため、お酒というよりはジュース感覚でついつい飲みすぎてしまいそうな位くせがなくさっぱりしています。
それになんと言っても無農薬の安心できるキィウイだと言うこと。外国の素性のわからないワインよりも、できたての新酒がこの時期に飲めるというのもうれしいですね。
キィウイの収量自体が少ないため、販売は三鷹市限定なんです。お酒屋さんによっては地方発送してもらえるところもあるようですが、残念ながら知る人ぞ知るというところでしょうか。けれど市民のなかにはこれを楽しみにまっていらっしゃる方も多いとか。この時期酒屋さんの店先には「三鷹のキィウイワイン入荷中」の張り紙があり、三鷹のちょっとした季節の風物詩となっています。
三鷹まで行くのはちょっと・・と言われるかたは、東京酒販協同組合連合会のサイトで三鷹市内のお酒屋さんのリストがありますので、電話にて問い合わせてみてはいかがでしょうか。
三鷹限定だけあってかキィウイワインの紹介サイトは見かけませんでした。ジブリ美術館に来たついでにバスで吉祥寺に向かわずに、玉川上水沿いを散歩がてら三鷹駅まで足を延ばすのも一興ではないでしょうか。
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