獣のように唸って出産したときから、一年経ちました。
「去年の今頃は陣痛前で寝てたなー。数時間後に陣痛がきて、電話連絡をして・・・」
そうやって、出産時のことを主人と二人で振り返ってお話していたら、ジーンときました。
でも妊娠中は出産のことばかり考えていて、その後の生活や育児についてはほとんど理解できていませんでした。
それからは、今振り返ると、想像をはるかに超えた育児に対する驚きととまどいで、祈るように子供を見つめ続けた一年でした。
何もかもがはじめてで、抱っこすることさえ恐る恐るで、寝ているときは息をしているのか心配になったり、寝なければ寝ないで悩み続け、子供のしぐさ一つ一つ、息をころして見つめながら、ただ必死に毎日を過ごして・・・。
そう、たった一年。だけど、いろいろありました。
私は熱出て倒れること数回、肺炎にもなった、腱鞘炎にも、手根管症候群にもなった。
授乳中なので痛み止めなしで抜歯もした。
思えば寝込んでばかりの日々だった・・・。
そしてうちの子はというと、寝ない・食べない・泣きやまない・暴れるの大変な赤ちゃんだった。
もう私には子育ては無理だと思ったこともあった。
酷い親の気持ちさえ、わかってしまう瞬間もあった。
何をしても泣きやまない子をどうしていいのかわからず、ただ泣き崩れることもあった。
でも、それでもやっぱり、存在自体がうつくしいのです。
泣いている私に向かって、無邪気に差し伸べてくる小さな手。
次第に増えた天使のような笑顔。
必死にしがみつくか細い腕。
抱っこすると、じんわり伝わる温かな体温。
何もかもが奇跡のようなうつくしい存在。 こんな神聖なものに触れていいんだ・・・。
つらいこともあったけど、そんな感動の方がはるかに強かったような気がする。
キラキラして力強くあたたかい存在。
去年の誕生から続けてる育児日誌に、私が贈った言葉がのっています。
「心が変われば、態度が変わる。態度が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、習慣が変わる。習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。運命が変われば、人生が変わる
という言葉があります。 何か嫌なことがあった時思い出してください。
それから、どうか正しいことをする勇気を常に持ち続けてください。
誕生、おめでとう!! 」
あれから一年、丈夫で元気に逞しく育ってくれた。
沢山の笑顔をくれた。
未熟な母親を励まし、許し、認めてくれた。
長かったようで短かった一年が過ぎ、振り返ることができた今、今度はこれから次の一年がとても楽しみに思えるようになりました。
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