他人の子供を叱れない。近頃良く聞く問題です。
わかります。私もなかなか叱れない・・・
その子の親が叱るのを待っていたり、その子の親の顔色を見たり・・・
いろんな問題が後ろに潜んでいるんですから。
こっちが正しくったって、逆切れする親もいる。
酷い時には、陰口まで叩かれる始末。
躾の出来ていない子供は、きっと親もなってないから、叱ったっていい結果にはならないし・・・
そんな事まで瞬時に考えてしまう有様です。
そんな私の考えを、粉砕したのが我が夫です。
とても厳しい主人です。私にだって、子供にだって、そして他人の子供にだって!!!
躊躇なく叱ります。親が居ようとお構い無しです。
親も一緒に叱ります。
先日こんな事がありました。
犬の散歩の途中に近づいてきた子供が、犬のお腹を蹴ったのです。
「キャウン」
小さく犬は鳴きました。
主人の前では、唸る事すらしないように躾けているうちの犬です。
主人や私がいなければ、きっと怒って噛み付いているはずです。
そして笑って母親の元へ・・・
4歳ぐらいのその子の顔には、悪気は微塵もありません。
母親もこちらに少しすまなそうにしていますが、会釈も無ければ、すみませんも無い。
我が家の犬は尻尾を丸めています。
「オイコラッ!何ケットンジャ!!」
言うと同時に子供の腕を掴みました。
母親ではなく、子供の腕です。
「すみません。すみません。」
母親が手を振り払い、子供を抱きしめました。
驚いた顔で主人を見詰める子供・・・
「お前も蹴られたいんか?今度やったら蹴倒すぞ!!
子供に謝らせんかい!おまえが謝ってどうなるんじゃ!!」
母親は子供に
「ごめんなさいしてっ!」
とうながしましたが、子供はわからない様子でした。
無理矢理頭をぺこりと下げさせると、逃げるように立ち去りました。
「もっと気ぃ付けて子供見とかんかい」
主人は、二人の背中に言葉を投げかけました。
近所でもこわい人で通っていると思います。
敵を作る才能はぴか一だと思います。
曲がった事が大嫌い、だから叱っているんだと思っていました。
だから、見かねた私が一言言ったんです。
「そんなに嫌われるような事言わんでも・・・」
それに対して夫は、
「気が付いてないからやってるのが子供や!
分かってやってる大人と違って、アカンコトはアカンと教えてやらなわかれへん。教えてやるのは、親でなくても他人でも十分や。
悪い事した時に、すぐ叱り付けて記憶に残るほどにきつく言わな子供なんかすぐ忘れてしまうで。
子供は子供や、これからようなっていくんやで!!!
その為に、大人が嫌われるのがあたりまえや。
嫌われて何が悪い?自分がしんどいだけやろう?
子供育てるのはしんどいで。大人はしんどいもんや!」
と、いつもの口数の少なさからは想像も出来ないほどにまくし立てられました。
ほんとそうです図星でした・・・はずかしいです。
年齢で大人になっていました。
しんどい事から逃げてる自分、大人ではないですね。
子供を叱れる大人になる事、そこから始めなければ。
自分に厳しく、しんどい事から逃げ出さず、子供に自信を持って自分をお手本に生きなさい!!
そう言える大人の自分をまず作り上げなければ。
作り上げられるまで、もう少し主人に嫌われてもらいます。
子供の叱り方、難しい問題です。
静かに促す、良く話し合う、千差万別あろうと思います。
でも、大切なのは、相手を思っているかどうかだと思います。
それがあれば、叱り方なんて関係なく、子供は素直に聞き入れてくれるようです。
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