最近、テレビ番組で小児癌をとりあげたドキュメンタリーが放送されました。
大人でも辛い病気に、幼い子供が蝕まれてしまう・・・
とてもショッキングな内容でした。
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●小児癌について●
子供の癌の発症率は5000分の1といわれ、子供にとってはまれな病気です。
小児癌は治癒率は高いものの、助かる子供は約7割。
残りの3割の子供たちが命を落としてしまうのが現状。
体の成長しきっていない子供には、成人と同様の治療では、成人者には起こりえない副作用が起こることもあり、
腕や足などに放射線を浴びてしまうと、その部位が完全な大きさにっまで発育しなかったり、脳に放射線を浴びてしまうと、知能が正常に発達しない可能性もあります。
放射線治療により、白血病を併発してしまう子供も少なくありません。
また、助かったとしても、成人してから癌が発症した患者よりも体に大きな支障をきたすため、その後の生活に大きな支障をまたらします。
現在では、年間約2000人の子供たちが癌によって命を落としているそうです。
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そんな小児癌に蝕まれてしまった子供には、辛い闘病生活が待っています。
また、両親も、患者に兄弟がいる場合にはその子供たちの生活も変わってしまうんです・・・
精神的にも、肉体的にも、経済的にも、全てが不安だらけ。
実際、私自身も小児癌の患者ではありませんが、癌患者の治療を近くで見る機会があったため、よくわかります。
行方知れずになっていた叔父(父の兄)が突然、私の実家へ訪れ、癌が発覚し、離婚して家もない状態の叔父を、父と母は一生懸命に看病していました。
叔父のために、毎日のように市役所や病院に通い、必要なものがあれば一式揃えました。
叔父の息子達に連絡をして協力してもらいながらでしたが、毎日毎日忙しそうでした。
ちょうど息子が生まれたばかりで里帰りをしていた私には何も出来ませんでしたが・・・
父にとっては実の兄弟だったからこそ、あそこまで頑張れたんだろうと思います。
もしそれが自分の子供だったら・・・
私はどれだけうろたえるんだろう。
どれだけ泣き叫ぶだろう。考えずにはいられません。
ですが、私の見たテレビの中の母親はとても強く、子供を支え、何より子供を愛していました。
「子供の前では絶対に泣いてはいけないときめた」
その言葉に母の強さを感じました。
以前に子供の前で泣いてしまい、子供に「ごめん」と謝られてしまったからだそうです。
辛いのは子供自身。痛くて退屈な、辛い闘病生活のなかでも、何か楽しいことを見つけることは出来るはず・・・でないと子供が可哀想だと、カメラに向かって話していました。そして、彼女は惜しみなく「愛してる」と子供に伝えていました。
彼女の姿勢はいつでも前向きでした。
そんな家族に医師から伝えられたのは、余命2ヵ月の宣告。
余命を宣告された家族は、このまま積極的な治療を続けるか、家に帰って余生を自分らしく生きていくかの二つの選択肢を医師から提示されるそうなのですが、ほとんどの家族は家に帰ることを望むそうです。
その家族もまたそれを望みました。
そこにある命が、消えてしまうことを知って、どんな気持ちで家族で過ごしたのだろうか・・・
限りある命だと思うと、短い時間の中でたくさんの「愛してる」や「ありがとう」が素直に出てくるんだろうか・・・
たくさんの思い出を作ったり、愛情を注ぐことが大切だと思う気持ちが大きくなるのだろうか・・・
病気によって学ばされることもたくさんあるんだろうなぁ・・・と、自分には計り知れない思いに、涙をボロボロこぼしながら見ていました。
子供を虐待したり、殺してしまったり、捨てたりと、無責任な両親が増えているこの世の中
失いたくなくても失ってしまう両親もたくさんいることが、とても切なく感じました。
そして、自分自身も、子供と過ごす日常の一瞬一瞬を大事にしていこう。そう思いました。
これから先、産まれてくるであろう子供たち。
私にも、皆さんにも、小児癌を患う子供が産まれる確率は同じだけあります。
もしお子さんが産まれたら、このコラムを少しでも思い出して下さい
健康なお子さんにも、病気を患ってしまったお子さんにも、一瞬一瞬を大事にして接してあげて下さい。
「愛してる」の言葉をたくさんあげて下さい。
子供と一緒に、幸せを育んでいって下さい。
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