上の息子が6歳のとき、下の息子が生まれました。子供は誰でも元気に生まれてくる・・・、そう思っていました。
ところが、産声の小さい次男は、心臓に病気がありました。生まれて翌日、産婦人科から病院へと次男だけ搬送されました。
私も産婦人科に外出許可をもらい、病院へ向かいました。検査の結果、病名は「完全大血管転移」というものでした。
もちろんその病名は、聞いた事もありません。長い説明を受けながらも、頭に入ってくるのは、怖い単語ばかり。
手術が必要だが、地元では設備もなく不可能。隣の福岡県まで行かなくてはいけませんでした。
この病気は、心臓にいく動脈が通常とまったく逆についていて、きれいな血液がいくはずの心臓に、循環した後の、酸素の少ない血液がいってしまう病気です。
生後からチアノーゼがあり、泣くとひどくなりました。もちろん、この状態では生きていけません。手術をして、動脈を元の位置に入れ替えてもらうのです。生後二週間以内に、手術が必要だと言われました。
この時、長男があと10日で幼稚園を卒園という時期で、上の子もだいぶ、色々な我慢をしてくれました。
そして、生後1週間、予定より3日早く、急に手術が決まりました。酸素濃度が極端に下がってしまったためです。昼の1時に始まった手術に、夫と二人、祈りました。
その時間はどう過ごしたのか、二人ともよく覚えていません。手術室から先生が出てきた時には、窓の外はもう真っ暗でした。
あの先生の「無事に終わりました。」の言葉は、よく覚えています。今までの、どんな言葉よりも嬉しかった。
その後出てきた次男は、体中に点滴と手術痕があり、まだ痛々しかったですが、顔色が見違えるほど元気色になっていました。
思っていたほどの後遺症もなく、次男はとても元気になりました。その後、ICUを出て、一般病棟に移りました。
母親が付き添いです。楽しみだった長男の卒園式には、夫と夫の姉が行ってくれました。そして、入院してからもうすぐで1ヶ月という時、待ちに待った退院が決まりました。
退院の日は、まるで天気がおめでとうと言ってくれているような、きれいな青空でした。家では、長男・母・叔母・叔父が待ってくれていました。
しばらく見れなかった長男の顔が、少しお兄ちゃんになったような・・・。皆が、次男の退院を喜んでくれました。
何よりも、一番嬉しそうだったのは、長男でした。恥ずかしそうに、頬や手を触っては、にっこり笑って。1ヶ月の間、泣き虫で寂しがりやの長男が、よく泣き言ひとつ言わずに頑張ってくれたと関心しました。
今では、長男は小学2年生、次男も1歳になりました。二人とも、元気いっぱいです。次男は定期的に診断が必要ではありますが、すくすくと育っています。
やっぱり子供は元気が1番!!怒るのも、泣くのも、笑うのも、全て元気だから出来るのです。
日常生活の中で、当たり前の事になってしまって、忘れがちになる感謝の気持ちも、改めて勉強させられました。
子供と一緒に、親も勉強ですね。毎日、子供と一緒に、成長出来たらと思っておます。
コラムに関するご意見・ご感想はこちらへ:info@e-koe.net |