私の嫌いな季節は冬。寒いし、雪は降るし。
といっても、私の住んでいる、新潟市内には皆さんが思うほどは雪はありません。
新潟県はとても長細い県で、同じ県に住んでいるといっても場所によってかなり様子が違います。
市内は雪が降っても、それほど積もりませんし、積もったとしても何日もしないうちにすぐにとけてなくなります。
朝、雪があったので今日は自転車に乗らないで買い物にでると、道路も歩道も、もう雪がとけていて、アスファルトがでています。
日陰や人のあまり通らないところには雪は残ってますが。
こんなことなら自転車でくればよかったなんて思うことが多いです。
私が子供の頃には今よりも雪が積もっていて雪がある期間が長かったです。
地球温暖化の影響なのでしょうね。
でも雪がないほうが私にとってはうれしいことです。
子供のころの雪の思い出・・・それはいやなものです。
学校へは、子供の足で20〜25分くらいかかりました。
雪が積もると、車のあまり通らない通学路はとても歩きにくかったです。
誰かが少し前に通った足あとが、道にできていて、そこに足がいくように歩いていきます。
車が通った後には、細いタイヤのあとが2本できるので、その細いところを歩いていきます。
一番つらかったのは、冬休み前の終業式の帰り道。
学校から、たくさんの道具を家に持ち帰らなければならないので、重い荷物を持って雪道を歩くのは大変でした。
手袋をしていても手がかじかんで痛くなり、泣きべそをかきながら帰ったこともありましたし、なんでこんな辛い思いをしなければならないんだと頭にきて、持っていた荷物を雪の上に投げつけたこともありました。
結局、投げた荷物を拾ってまた歩き出しましたが。
この頃は、クリスマスにも雪が降らないこともよくあります。
積もっても、量が少ないので、雪だるまを作ろうと思ってもところどころ黒くなってしまいます。
土が付いてしまうからです。
最近はあんまり雪遊びをしてる子も見かけなくなりました。
これは、雪が少なくなったからだけでなく、家の中で遊ぶ子が多くなったからということもあると思いますが。
新潟出身ということは、スキーも上手なのでは・・・とほとんどの人は思うでしょうね
それも違います。
スキー場の近くや、雪の多いところの人、またはスキーをする一家に育った人ならともかく、そうでなければスキーをする機会もありません。
他は知りませんが、新潟市内の高校では、スキー授業が3年間のうちに一度だけあります。
二泊三日でのその授業が、生まれてはじめてのスキーだという生徒もけっこういました。
スキー授業の前に雪が積もったので、1度だけ学校のグランドで、スキー靴を履き、いたをつけ、歩く練習をしましたが、平らなところをちょっと歩いただけではやはり無理ですね。
結局、転んでばかりでまともに滑れず、もう二度とスキーなんてしないと思ってしまいました。
やはり、小さい頃に経験しないと、体がゆうことをききません。
それ以来スキーをしようと思ったことはありませんし、これからもしないと思います。
20代の時、アメリカに旅行したのですが、その時のアメリカ人のガイドさんが、私達が新潟出身なのにスキーができないと聞いて、「あなたたち、異常ですねえ。」と達者な日本語で言ったのを思い出しました。
やはり、新潟イコール雪国、スキーが上手というイメージなのですね。
つい最近雪が積もりました。
用事があり出かけたのですが、バスの中から何気なく外を見た時に初めて雪景色をきれいだと思いました。
道路の両側にある木の枝に雪が積もり、まるで白い花が咲いているかのようにみえてとてもきれいだと思いました。
雪がなかったときには、葉がまったくない枝がとてもさびしそうに寒そうに見えていたのに。
雪が降るたびに、もうずっと前からそこにあった景色のきれいさに私は気づきませんでした。
雪が降って嫌だなーという気持ちが強かったから気づかなかったのか、年をとって物の見方や感じ方が変わったからなのか。
雪景色を眺めていると、近くの座席から声が聞こえてきました。
木がとてもきれいだとか、その景色の写真や除雪機の写真を撮ったとか話していました。
きっと、雪のないところから旅行で来たのかなと思いました。
地元の人は、雪や除雪機は珍しくないので、写真を撮ったりしないから。
雪を見たことのない人が雪をみたらどんな気持ちなのでしょう。
寒さも忘れて、うれしくなってしまうのかな。
自分は初めて雪を見た時はどうだったのだろう?
覚えていません。
その日の帰り道、雪のせいでバスが1時間近くも遅れ、寒い中バス停でずっと待つ羽目になってしまいました。
まさかこんなことになるなんて出かける時には思いませんでした。
最近は雪道になれていない若いドライバーが多いので、少し降っただけで、道路が渋滞してしまうようです。
積もった雪が車のタイヤで押し固められて、道路全体が凍りのようになって、滑ります。
道路を歩いて渡るのも怖いです。転ばないように、慎重に渡ります。
信号が黄色になると、いつもならダッシュするところなんだけど、そういうわけにもいきません。
おしゃれなブーツにも、溶けた雪が染み込み冷たくなり、靴の中まで濡れてしまいます。
少し前の景色の感動もすっかり吹き飛んでしまいました。
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