スズメって、とってもかわいいというイメージしかありませんでした。
掌にちょこんとのっかるくらい小さくて、チュンチュンと鳴く声も、ピョンピョンと地面を飛び跳ねる姿も、とってもかわいらしく、鳥の中じゃあ好きなほうでした。
私の祖父母なんかは、庭にスズメがやってくると「チュン子が来た!チュン子が来た!」と喜んで、よくご飯やパンくずなどを庭に撒いたりしていました。
そんな光景を見て、私も「のほほん気分」になったりして・・・。でも、あの日を境に、スズメのイメージがすっかり変わってしまいました。
その日の天気は曇。雨こそ降りはしないけど、とても風が強く寒い日でした。
そんな日は、普段なら外出なんてしないけど、たまたま新聞の折り込みチラシに載っていたスーパーのお買い得商品がどうしても欲しくて(「日替わり商品」で、今日じゃないと安くないという商品だったので)、重い腰を上げて出掛けることにしました。
身支度をして玄関を出て、ふと、何気なく空を見上げると、電線にスズメの大群が・・・。
大群は大袈裟かもしれないけど、でも確かに、40羽くらい・・・いや、もっと多い!ざっと数えても、40〜50羽以上は絶対にいたと思います。
その沢山のスズメ達が、ズラ〜〜〜っと並んで電線に止まっていたのです。
こんな寒い日に、しかもこんなに風がムチャクチャ強いっていうのに、この子達はいったい何をやっているんだろう?
な〜んて呑気にアホなことを考えながら、しばし見入っていたものの、私は、「買い物!買い物!早く行かないと売り切れちゃう。」などと、ブツブツ独り言を言いながら歩き出したその途端、ゴゴゴゴゴ〜〜〜っと突風が吹いたかと思うと、それとほぼ同時に、ビチャビチャビチャ〜〜〜っとものすご〜くイヤ〜な音が!!
そうして、私の足元に白い液状の物体が!!そうです!スズメ達が一斉にフンを飛ばし
てきたのです。
まるで、突風がくるのを待っていたかのようにタイミングよく!「うっ、うわ〜〜っ!なっなんなんだこりゃ〜〜っ!?
ちょっと、何すんのよ〜〜っ!!」慌てて逃げ出し、とりあえず安全な場所へ避難し、それから、頭や肩・腕・足・背中(実際は、服や帽子・靴の上からですけど)と、フンが付いていないか、あちこち隅から隅まで見回し、付いていない事を確認してホ〜ッと一息。
とはいうものの、心臓はまだドキドキ・・・。まさか、あのかわいいスズメが、こんな事をするなんて・・・。信じられない・・・。
ショックだ〜・・・。カラスならともかく・・・。
カラスの場合、いたずら好きで、よく人間をからかったりして遊んだりする、な〜んてことを聞くけど・・・。
子供の頃、迂闊にも電柱のそばを歩いてしまい、カラスにフンをかけられて、服にシミが付いて取れなくなって捨てるはめになってしまったり、
ある時は、魚の頭(確か、秋刀魚よりも大きな魚で、サバくらいのサイズだったような?)を目の前に落とされて、魚の血が飛び散り、持っていたスポーツバッグにその血が付いてしまい、家に帰ってから雑巾で拭いたけど、生臭いにおいがなんだか取れていないような気がして落ち込んだりと、
カラスには、いろいろと酷い目に遭わされた経験はあったけど、スズメがカラスみたいな事をするなんて・・・。
しかもあんな大勢で・・・。「いったい、私が、お前たちに何をしたっていうんだ〜・・・。ひどすぎる〜っ!!」・・・恐るべし、スズメ軍団!!この事件があって以来、しばらくの間は、上を見ながら歩くようになってしまいました。
特に、電線にスズメが止まっている時は、走って通り過ぎたり、スズメの数が多い時は、わざわざ遠回りして避けて歩いたり・・・。
とにかく、外を歩く時は、スズメ軍団の「フン飛ばし攻撃」を二度とくらわないように注意するようになってしまいました。・・・という訳で、これが私の中で、スズメが「かわいい」から「こわい」というイメージに変化してしまった出来事でした。
皆さんも、外を歩く時は「頭上注意!!」です。お気をつけて・・・。
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