突然ですが、主婦のみなさんは洗濯物をどうやって干しているのでしょう。
というのは、いまどき洗濯機は全自動が主流で、座ってお茶を飲んでいても、洗いからすすぎ脱水までおまかせコースでやってくれる主婦ラクチン装置と化しています。しかし、最終工程の干すという作業は、未だ手に依っています。この単純作業は、主婦によってやりかたが違うのだろうかと素朴な疑問を抱いたからです。
衣類乾燥機を使えば、この作業は省けますが、お天道様というありがたい恵みがあるにもかかわらず、電気を使うことには抵抗を覚えます。それに、乾燥機では太陽の光で乾かしたときのようにぱりっとしません。ぐるぐる回転する箱の中で目を回した衣類は、よれっとしてくたびれた感じの仕上がりになります。乾燥機は、正しい家事生活には邪道なものです。
以前は、洗濯機から取り出した衣類を無造作にカゴに放り込んで、なんの疑いもなくそのまま干していました。夫婦2人の暮らしならそれでも問題はないのですが、家族4人、それも子どもは成長して、サイズはとうに大人を超え、かさが高い。カゴの中は洗濯物の方向がばらばらで、手に取るたびに180度回転させたり、靴下の相方を探したりと手間取って、干すという単純な作業がはかどらずイライラしていました。
どっちみちやらなければならないことなら、楽しんでやりたい。そこで、洗濯物を手早く干せる方法を考えました。
簡単なことだったのです。干す前に仕分けをすればいいのです。遅まきながら気がつきました。。少しの手間で最大限の効果、“一粒で二度おいしい”とその昔CMにあったようななかったような、とにかく効率よく家事をこなすには、アタマを使う必要があることを、悟ったのです。手間を惜しんではイケナイ。
下準備に時間をかけることは、ものごとを円滑に進めるために必要なことです。それは、単純労働と思われている家事にも当てはまることなのでした。こんなことは、プロの主婦のみなさんにとっては当然のことかもしれません。そのことに、私は遅ればせながら気がついたのでした。
それ以来、洗い終わった洗濯物を、大きいもの、小さいもの、靴下は対にしてと仕分けをしてから、ピカピカ光るステンレスハンガーに干しています。流れるようにスイスイと干すことができて、気持ちがいい。洗濯物が早く干せたからって誰が褒めてくれるというものでもないけれど、主婦の喜びを実感する瞬間です。そう、家事は楽しんでやらなくっちゃ。家事は奥深いのです。 |